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小林 百合子 (著), 野川 かさね (写真)
『山小屋の灯』
山小屋そのものとか、その主人、山小屋での出会いとか、山小屋をからめた山歩き、それらにまつわる魅力が、文章と写真で収められていました。
私の場合、基本的に日帰りで、とにかく頂上を目指して登り、そして帰る、というスタイルなので、山小屋に泊まったことがありません。
泊まらないどころか、ほとんど立ち寄りさえしません。
必要にかられて(つまりオシッコしたくなって、とかそういうやつ)利用する以外は、自分の山歩きには関係ないものとして整理?していました。
これは、決して山小屋とか、山小屋を利用する人々を否定したりバカにしたりしているのではありません。
むしろ憧れをいだいているのです。
(日中に日帰りする私には、どうやったって稜線上で日没や星空、日の出を拝むことができませんし、山上で美味しいお酒を飲んで、みたいなこともできませんので。)
そういう私ですので、『山小屋の灯』を読み始めて、最初の内は正直言ってあまり心惹かれるものがありませんでした。。。
わりと淡々とした語り口でつづられていて、大げさに誇張したり奇をてらう事がありません。
掲載されている写真も、なんというか剣呑な断崖絶壁!みたいなやつはなくて、しんと静まり返ったような写真や、山道を歩いていて、ふと足元に咲いている花に気が付いた、みたいな写真。
とにかく頂上を目指す!みたいな私にとっては、今一つ刺激が足りないと感じたのです。。。
しかし読み進めていくうちに、なんとなくわかってきました。
とにかく頂上を目指すのも別に悪いわけじゃないけど、他にも種類が全く異なっている大きな魅力があるんだな、と。
それを知らずに馬鹿みたいに日帰りしていた自分のメンタリティーって、ある意味ではめちゃめちゃ幼かったんだなと、はた、と膝をうつことになったのでした…。
いつか山小屋にも行ってみたいな、という気持ちにさせられた本でした。
(骨酒のまわし飲みには、まだ、ちょっと、その、、、
躊躇しそうですが…。)
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