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『戦場のニーナ』
「残留孤児」というと、中国残留孤児のことしか思い浮かばない不勉強な私ですが、この小説を読んで初めて、旧ソ連で育った方もいたのだと知りました。
自分の本当の名前も、両親の顔も知らず、国籍さえも確信がないという寄る辺のない人生で。
いわれのない苛めを受けたり、養父母に裏切られたり。
それはそれは大変な人生で。
何のために生まれたのか、何のために戦場で救出されたのか、生きている意味があるのか、そのように考えない人などいるだろうか。
そんな中、出会いがあり、次のようなセリフが。
…
「ニーナ、君はどうなの、ぼくのことが好きなの?」
「よく分からない。でも、あなたにキスされたいし、あなたにキスしたい。もうたまらなく。こんな感じを好きというのなら、私、あなたのことが大好きです」
…
「好きっていう言葉ではもの足りないようなそんな感じなんです。だから、好きって言いたくないんです」
「それでも好きって言うんだ。それがやさしさの始まりだ。」
…
このあたりが、なかにし礼氏の真骨頂だと勝手に思っているのですが、いかがでしょう?
ここだけ切り取って出しても、この小説の良さ、総合力?みたいなものは伝わらないと思うのですが、、、私のつたないコトバでは、どれだけ
書いてもとても伝えきれませんので、このあたりまでにしておきます。
もし、気になった方がいらっしゃいましたら、ご自身で読んでみてほしいと思います。
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