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いろいろと裏切られました、良い意味で。
実際に読んでみるまでは、勝手なステレオタイプを持っていました。
極寒のアラスカを舞台にした冒険小説で、
川口浩の冒険(古っ!)みたいなやつ、とまでは言わないものの、
きっとシンプルにワイルドで、
その極寒のアラスカの寒さのようにソリッド?な小説なんだろうと。
言い換えると、抽象的な思考とか、哲学的な省察なんかとは無縁な小説なんだろうと。
この『火を熾す』という短編集の主人公達自身は、
ほとんどシンプルにワイルドで、
抽象的な思考とか、哲学的な省察なんかとは無縁な人々なのに、
それを描写する側、小説の語り口のバックボーンに抽象的な思考とか、哲学的な省察が漏れ出ているような気がしました。。。
それらが物語に「深さ」をもたらしているような気がしました。
それと、ボクシングが題材になっている短編もすごく「読ませる」小説でした。
普段、ボクシング観戦とか全くしないですし、特に興味もないワタクシですが、10ラウンド以上の長丁場?の試合の描写でもグイグイと引き込まれました。
そしてやはり、その試合の興奮だけではなく、
「深さ」を感じさせるものがありました。
この作家の別の小説もぜひ読んでみたい!
と思いました。
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