本話題は、かなり暗い話題です。
そのような話題を好まない方はskipください。
8月9日(火)昼下がり、会社より八ヶ岳を眺める。標高2000m以上は雲に覆われている。本日は仕事の谷間で、年休を取って横岳に行こうかと昨日考えていたのだが、急な仕事が飛び込んで来そうな気配があったため取りやめた。でも今日いってたら、先週土曜の阿弥陀同様展望0だったな..とのんきに考える。
8月10日(水)昼下がり、本日も会社から八ヶ岳を眺める。全峰よく見えており最高の天気。
8月11日(木)朝、ヤマレコに日記を投稿してから新聞を読む。すると信じられない記事が載っていた。
八ヶ岳横岳で転落 塩尻の男性死亡。
”八ヶ岳連峰硫黄岳などを単独登山していた塩尻市、会社員○○△△さん(49)の家族が10日、下山予定を過ぎても戻らないと県警本部に届け出た。県警ヘリが捜索し、八ヶ岳連峰横岳奥ノ院付近(標高2800m付近)に転落している○○さんを発見して救助したが死亡が確認された。死因は転落による多発性外傷。○○さんは、9日朝から日帰りの予定で八ヶ岳を訪れていた。”
○○△△は私の旧友の名だ! 同姓同名? でも年齢は合っている。あわてて、これまでの年賀状を探すと、4年前の年賀状から家族で低山ハイクを始め、去年は単独で赤岳や蝶ガ岳に登っている写真がありました。やっぱりあいつだ。
11日にお通夜、12日本日、告別式でした。喪主の奥様の、”4日前にはどこも悪いところもなく元気でした。それがなぜ?、慎重なあの人がなぜ?、という思いが渦巻いてます。”と言う言葉が胸に突き刺さります。
一家の大黒柱を失った奥さんとまだ小学校の子供達の、悲しみの大きさ、深さ。また、奥さんと子供達を残して、先立たざるおえなかった本人の悔しさ、無念。を考えると胸が締め付けられ、涙がでます。
登山にリスクはつきものと頭では判っていたつもりでしたが、いざ、身近でことが発生してみると、まるで分ってなかった自分を痛感します。森林限界を超える岩山での登山は、桁違いのリスクがあり、しかも、いざという時にはいとも簡単に究極まで行ってしまうのだと。
家庭持ちにとり、登山はown(自身の)リスクではなく、奥さんと子供まで巻き添えにして奈落の底まで落とすリスクを背負って登っています。登山好きの自分が山で死んで本望、ではすまない。
いまはただ、旧友の冥福と、ご家族が立ち直り、元気に、幸せに生きてゆくことを祈るばかりです。
本件、ヤマレコに出す内容かは迷いましたが、正直な自分の気持ちを書かせていただきました。
8月9日は偶然、私も単独で横岳初登山をしたいと思ってました、日記にあるように。もし行っていたら、私もガスと雨の中横岳を歩いたでしょう。滑落したのは私だったかもしれません。
通夜では、棺おけの中の旧友の顔が自分の顔に見えました。告別式では、泣き通しの奥さんの顔、悲しみに沈む子供達の顔、は自分の家族の顔に見えました。
9月11日、横岳で旧友の足跡を辿りました。個人的な推測ではありますが、ガスと雨の中、奥の院の下、真っ直ぐ行くロッククライマーの踏み跡を正規ルートと間違えて入って、そのまま進んでしまったためではないか、と感じました。私もガスであればそんなミスは十分やりそうです。たった1箇所道を間違えただけでも、このような結末を招きます。
年賀状の写真から、旧友も単独行で山をやっている、ともっと早く気がついたら、多分Emailして、”一緒に山行こうぜ”と誘ったでしょう。また火曜に横岳行くと聞けば”ちょうど仕事の谷間だから、オレも年休取っていっしょに行くわ”となり、こんな結果にならなかったかもしれません。いまさら、無関係な私が、こんなことを悔やんでもしかたがないのですが...
今回のようなリスクも胸に抱きながら、でも今後も楽しく山を登りたいと思います。安全にベストを尽くしながら。
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