読んでみて、
「これは凄い!ドラマチックな展開に胸が熱くなり衝撃を受けて一気に読み切ってしまいました!!」
なんてことはなく、通勤読書でぼちぼち読了という感じです。
なお個人の感想ですので、これから読んでみようという方はこの先は読まないでください。
私が栗城さんを知ったのはネットで騒がれている頃(当然マイナスのイメージのほう)。
テレビで3.5流と言われ、ネットでプロ下山家と言われ、山と渓谷にも批判記事を載せられ・・・といいとこなしだったんですが、自分は不思議とそこまで否定する気にはなりませんでした。
その理由はただひとつ。
登山家としては全然ダメで言動に問題があったとしても、少なくとも自分よりは「登れる」人だっただろうからです。
そういう前提で本を読み終わった私の感想としては・・・
ま、特に読み返そうとは思わないかな(笑)。
ある程度栗城さんの周囲の人への取材はされていて、栗城さんの人となりを知るには良いと思うのですが、著者が直接栗城さんから聞いた話と他人が栗城さんを語っているのに著者が直接聞いたような書き方をしている部分が混在しているので読みにくいのです。
登山のシーンでも、著者は家で登山の映像を見ながら又聞きした内容を書いているだけなのに、臨場感を出したいのか自分が現地で取材しているような書き方をしている箇所もあります。
こういうのが多くなると、実際に取材対象が語ったのか、著者の想像なのかが不明瞭になり、作品全体の信憑性が下がります。
さらにこの著者の取材力に問題があるのか、取材対象の人々があまり語りたくないのかは不明ですが、後半部分の多くが著者の想像と自分語りで占められているのも、ノンフィクションとしてはどうかなと。
ちなみにこの本のアマゾンの評価は賛否両論。
賛のほうは登山はしないし、この人のことも知らなかったけど、批判されても諦めずに何度も挑戦する姿に感動した・・・みたいなのが多い。
否のほうは、栗城さんを否定するというよりこの著者を批判しているのが多め。
亡くなった人の過去をほじくり返して儲けようとしているというイメージでとらえられているようです。
山登りを趣味とする人のコメントはあまり見られないので、山登りする人はあまり読んでないのかな(笑)。
それなりに山登る人にとっては単独無酸素などの嘘つきのイメージが強いので印象が悪いのかも知れません。
私としては著者の意見や感想部分を排除して、実際に取材した部分と周囲の人のコメント、事実として公表されている部分のみを読むならば、栗城さんがどういった人だったかがある程度わかる悪くない本だと思います。
また、登山YouTuberをしている人、目指している人なんかは少し参考になる部分もあるかもしれません。
純粋に山が好きできれいな映像を撮りたくて山に登っているのか、YouTubeで知名度を上げて金稼ぎする手段として山に登っているのか、ということですね。
でもまあ、いいね欲しさにヤマレコに山行記録書いている自分も似たようなものかもしれないけど(笑)。
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