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自分の足の長さは23.5cmぐらい。男性としては小さい足。普段は24.5〜25cmの靴を履くことが多い。
最初に買った登山靴はスポルティバのTrango Hike GTXでサイズはEU40。このときは富士山に登ることしか考えていなかったので、富士山向きと書いてあったこの靴がいいかなと思った。これにスーパーフィートのインソールを入れてもらうと、いい具合にフィットして履きやすかった。ただ、靴のサイズとしては自分には少し緩め(1サイズ大きめ)。
この靴で八方尾根の日帰りや白馬岳を山小屋泊の装備で歩いているときは良かったのだが、白馬岳やその次の涸沢での下りで左足首を何度か外側にひねることがあり、ちょっと足首のホールドが気になり始めていた。
今後テントや寝袋などの装備が増えるとこれだとまずいなぁ、という気もしてきていたし、ザックの重量が増えると、ガレ場などでもっとソールが硬いほうがいいのではという気もし始めていた。
そこで、より本格的な靴を買おうと思って、お店に行き勧められたのがスポルティバのTrango S EVO GTX。つま先のところにクライミングゾーンという部分があり、北アルプスの岩場などでいいとか。ただし、上高地などの平地では歩きにくいという。このときは、つま先立ちでのグリップなど、よりフィット感を求めて、ワンサイズ小さいEU39を選んだ。
ただ、お店で試着しているときからすでに右足のサイド(小指の付け根の骨)が気持ち圧迫されている感じがあり、それが気になっていた。長時間歩き続けるとこの部分が痛くなるかもなぁ、という予感があったのだ。
さんざん悩んだ挙句、その靴を購入。槍ヶ岳縦走で履いてみた。3日目に槍ヶ岳から上高地に下るまでは特に窮屈さなど気にならなかったが、最終日に下り始めてから、不安が現実になった。
まず、つま先がこつこつあたるようになる。それが気になって、少し靴をきつめに締めるが、それでも足が前にずれてしまう。そして、靴の甲部分をきつめに締めたのがよくなかったのだろう、お店で気になっていた右足小指の付け根の外側の骨のあたりが痛くなってきてしまった。そうなってしまうと歩くのがつらい。
何度か履き慣らせばいいのかなと思いつつも、つま先にあたることも気になるし(幅を広げるのはなんとかなるが長さはどうしようもないらしい)、結局、この靴を履いてまた山に行くのはリスクが高いと思い、この際、時間をかけてでも、長く履ける自分にフィットした靴を探すことにした。
いろいろ調べていると、手入れすれば長くもち、風合いも味がでてくるということで、革靴がいいかなと思うようになる。
なかでも、Lowa(ローレンツ・ワーグナーなのでLowaだそうですね)やSirioなどが人気のようで試し履きをするが、Sirioはなんとなく自分の好みではなく、Lowaのタホーかチベットがいいように思っていた。ただ、タホーも何度も履くが、男性用だとちょっと大きい、女性用だと足首の金具が骨にあたって気になる、など自分にはフィット感がいまいち。
ゴローのオーダー靴も試し履きをしに行ってみたが、重さと足首のホールドが気になり(1ヶ月近く待ちたくなかったし)、決断できず。
同じ失敗を繰り返さないように、少しでも違和感があったら買わないと決めていたので、なかなかいい靴にたどりつかない。ただ、ほかにいい靴がなければローバーにしようと思いはじめていた。
そんなこんなで、最後にたどり着いたのが、上野のとらやスポーツ。ローバーだけでなくハンワグ(ハンツ・ワーグナーさんの靴)の靴もおいてあるようだったので、アラスカやユーコンが気になって試し履きしに行きました。
まずはタホーを履くが、やはりメンズだと幅広で自分にはあわない感じ。そこで薦められたのが、タホーより気持ち細めのアラスカ。履いてみるとなんかしっくりくる。
もう一方のカーフレザーの内張りをつかっているユーコンだと、右足が少しタイトすぎて自分にはあわなかった。(カーフレザーの包み込むようなフィット感はすばらしいかったから、もし合っていたら絶対にカーフレザーにしたかったのだが。お店の人も皆カーフレザーを履いていると言っていた。)
ということで、選択肢はアラスカに絞られた。90年記念モデルのより上質な皮をつかったリミティッドエディションがでていて、これまでの2足のサイズの間のUK6(EU39.5)という、ちょうど自分にぴったりのサイズがある。
しばらく試し履きをしているうちに、今までの靴ではなかった直感的だが、これは自分にあっているぞという感覚がある。そして、紐の締め方や、厚みの違うソックスについていろいろ話を聞きながら、1時間ぐらい履かせてもらい、靴が自分にフィットするという確信を深めた。そして、購入を決断。予想していなかった展開。
とらやスポーツでは靴に防水・保湿用のオイルを塗ってからお客さんに渡すことになっていて、通常は1週間かかるのだが、数日後に奥穂高に行くという話をしたら、親切にもそれに間に合うように対応してくれることになった。いやー、いろいろ迷って、このお店と靴に合えたのはよかった、という気持ち。
そして、めでたく10月の連休にジャンダルム・奥穂・北穂をこの靴で歩くことになった。
ソックスは最も厚いものがいいとのこと。確かに、自分がもっている少し薄いものと比べると、かなり履いた感じが変わる。靴下がクッションとなるのだそうだ。山の上では、薄い靴下だと足が痛くなるのではと心配で、結局今回靴と一緒に買ったスマートウールのマウンテニアリングという分厚いけど履き心地のよい靴下(これは伸びるので小さめのサイズを選ぶのがいいそうです)を5日間ずーっと履き続けていた(テントでは別の靴下に履きかえていました)。笑
ハンワグのアラスカのメリットは、ソールが硬くつま先だけでもグリップがきくし、テントの入ったザックを背負っていても、ガレ場などでも気にならない。そのわりに、ソールの形状から、足が前にでやすく、上高地などの平地に近いようなところでも歩きにくいことがない。北アルプスの縦走にはぴったりだが、それほどハードでない山でもあまり疲れることなく履けそうだ。
また、足首のホールド力もある。下山時など疲れが出た頃に足首をひねるという心配も軽減されるし、クッションもしっかりしているので、足首が痛くなることはない。実際、下りでの最初の靴の時ような足首の不安は全くなかった。
また、ハンワグの靴は、足が前にずれにくいように足首の屈曲部分の紐の金具がより奥につけられている。これが結構重要らしい。この金具は紐をロックできるようにもなっており、靴紐の締め具合を調整しやすいので非常に便利だと思った。
あちこちのお店に通って、さんざん迷ったが、これからも長く履き続けたいと思える靴に出合えてとても嬉しかった。
ricalojpと申します。初めまして。
登山靴は、本当に難しいですね。
最も個人差の大きい登山用具でしょう。アワナキャどうにもならん。
あった登山靴が見つかれば、後はソールの張り替え、修理が問題です。
最後までお悩みになっていたローバー、ハンワグは京都のタカダ貿易さんが輸入代理店です。
ハンワグもローバーも張り替え、修理に出しましたが、納得のいく出来でした。
末永く使えるのではないですか。
Lowa(ローレンツ・ワーグナー)
ハンワグ(ハンツ・ワーグナー)
知りませんでした、勉強になりました。
pesceさん大変でしたね靴は他と違い一番大事ですよ、私の足は番広甲高でしたから靴は足に合わせて作りましたよ、
履いた状態は初めから最後まで痛みなどの経験などしなかったし靴擦れもなかったです、、
今の靴の事情は知りませんが重たくても革靴は足首から爪先まで守ってくれますし一生物です、
値段は最初は高いかも知れないが後を考えると作った靴は結局は安い買い物です、
今でも探せば作っている場所はわかると思いますよ、
ricalojpさん、コメントありがとうございます。
ソールの張替えも問題なしということで、ますます今の靴を大事にしていきたいと思っています。ありがとうございます。
ローレンツさんとハンツさんは兄弟だそうです。アディダスとプーマも兄弟で別ブランドを立ち上げたケースだそうです。何か相容れない靴作りに対する思いがあったのか、どんないきさつで兄弟で別のブランドを立ち上げたのか知りたい気もします。
naiden46さん、コメントありがとうございます。
仰るとおり、オーダー靴のように最初から合った靴に出合うことが、結局は高くても安くつきますよね。長く使えるし、買いなおしもないし。そういう意味では、植村直己さんも愛用したというゴローのオーダー靴などは魅力を感じます。冬山を始めたら、ゴローの靴も候補に入れてみようかと思います。
山を始めるにはまず靴だという意味がようやく分かった今日この頃です。
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