昨日「御池岳」の登頂に成功しました。大変うれしいことです。
プロフィールにも少し触れていますが、私は4年程前から「パーキンソン病」を患っております。 マイケルJフォックスやモハメッド・アリ、永禄輔さん らと同じ病気です。国の特定疾患(いわゆる難病)に指定されており 現代の医学では決して治療できません。困ったことに進行性であり 最終は自分ひとりでは何もできなくなるそうです。その最終まで進行するのには個人差があり急に早まったりもするそうです。
脳内で製造される神経伝達物質「ドパミン」が不足することが原因で手足の振るえ固縮、無動などの症状があります。全体的に動作が鈍いです。
私も例外ではなく右手右足をうまく動かすことができません。薬が効いている間は常人の60〜70%程度、薬が切れると重力が5倍になったかのように箸一つ持ち上げるのに苦労します。
私が登山を始めたのはこの病気がきっかけです。「もしかしたら」と思って行ったいわゆる「パワースポット」が標高800m程の「夜叉が池」でした。山とは知らずにジーンズにスニーカー履きで350CCのミネラルウオーターだけを持った私が驚いたのは 思い思いの服装や道具や装備をした登山者が場違いな格好をした私にすれ違うたびに「こんにちは!」「山頂はもうすぐですよ!」と挨拶や声を掛けてくれたことでした。
私は体中に電気が走ったようでした。これまで物事に熱中や没頭するような事がありませんでしたが、すぐに病気のために一度も使用しなかったゴルフシューズを買取店に持って行きそのお金で 登山靴を買いました。
その後のことは「山行記録」に書いてあるとうりです。
手足の震えのためにスパッツを装着するのに20分も掛かった事もあります。
登山中に薬が切れてその場にしゃがみこむことは良くあります。動きの鈍い私を鬱陶しそうに追い抜いて行くハイカーもたまにいます。
ザックに「病気ですからお先にどうぞ」と書くわけにも行かず、苦笑いをしながら「どうぞ」と道を譲るだけです。
私のレコを詳しく見ると通常の人より約1.5倍の時間が掛かっています。道草を食っているわけではなく真面目にやってそれだけ時間が掛かるのです。
そんな私が「雪の御池岳」を登頂できたのはとても自信になりました。今の自分の病状では2千mを越すような日本のメジャー級の山は無理です。もしかすると一年後には進行して登山どころではなくなるかもしれません。
でも体の続く限りは山には登り続けようと思います。
私にとっての山は鈴鹿や伊吹、比良の山々が全てです。私にとってのヒマラヤ、ロッキー、日本アルプスです。
そんな中でも鈴鹿最高峰の山の積雪期に登頂で来たのは「ヤマレコ」ユーザーの皆様から暖かい拍手や貴重なアドバイスや励ましのコメントを頂けたからだと心の底から感謝します。
本当にありがとうございました!
※この日記に関してのコメントは謹んで遠慮させていただきます。