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1巻2巻3巻はスムーズに読み進められたものの4巻で中弛みしてしまい、ちょうどこの時期に古代史に俄然興味が湧いてしまい、源氏物語はそっちのけになってしまっておりました。
この秋、新型コロナに感染してしまったのを機に再度一念発起し、自宅療養中に読んでやろうとエンジン再始動しました。
結局療養中には8巻までしか読めませんでしたが、光源氏亡き後の宇治十帖が意外に面白く、その後もスルスル読み進め、特に9巻10巻はあっという間に読んでしまいました。
私自身が50歳代であるので、前半の光源氏の若かりし色好みの日々もどこか遠い世界のお話のように自分と距離感がありました。
しかし光源氏後半生では人生の悲哀が加わっていき、そして逆に彼をとりまく世界はまさに貴族文化の隆盛ここに極まれりといった感の栄華な世界が展開し、その陰と陽がシンクロする様の真っ只中に自分がタイムスリップしてその場にいるような臨場感の豊かさに包まれたようでした。
あらためて思うに千年も前に紫式部が描くこの物語は、四季の移り変わりや人間の心の動き、はたまた場面の描写の表現の豊かさも特筆され、本当に味わい深かったと思います。
加えて林望氏の現代語訳は時折折り込まれる和歌についても和歌の意訳だけでなく、その裏にある詠み手の心情もさらっと何気なく付け加えてくれているので、非常に有り難かったです。
まだまだ源氏ロスな心境ですが、再来年の大河ドラマにも期待したいと思う今日この頃です。
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