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これも1年以上前ですが、新聞でこの作品のコミック版が脚光を浴びている記事でその存在を初めて知りました。
そこで、へそまがりな私はあえて文庫本の小説版を購入したのでした。
さて作品ですが、時代背景は日本では平安時代の初期のお話です。
先に史実とされている高岳親王の生涯を紹介すると。
一時期は皇太子であった高岳親王は「藤原薬子の変」に連座していたとされ廃太子されます。その後、仏門に入り空海上人の十高弟の一人に数えられるまでになります。
空海上人の死後、さらなる修行を目指し唐に渡るも当時の唐では仏教は衰退していた為、さらに天竺を目指し三人の従者とともに広州から船で出航した後に行方不明となったということです。
その後の消息はわずかに当地から唐に留学していた留学僧による、親王は羅越国(今のマレーシア付近?)で亡くなった、という伝聞が残るのみです。
前おきが長くなりましたが、作品はその親王と従者たちの広州出航後に天竺を目指す道中の東南アジア諸国での出来事をファンタジー風味いっぱいに描いています。
主人公の親王の高潔なだけでなく、好奇心旺盛で、茶目っ気もある人柄は魅力的で今も親王ロスの真っ最中です。
またこの航海が親王60歳後半からの事にも改めて50歳の後半に差し掛かった私には感慨深いものがあります。
60歳の後半からでもアグレッシブな挑戦が出来るという勇気ももらえました。
今ではもう1200年以上も前の事になりましたが、親王が最後には満足できた航海であったことを願って止みません。
追記です。
先日の新聞のインタビュー記事で直木賞作家の澤田瞳子さんが、次作では高岳親王を描きたいとおっしゃっていました。
今から楽しみでなりません。
この日記で本を知り、図書館で借りました。
この作家の文章、描き方がいいですね。
図書館で借りた本はカバーは無かったのですが、かえって装幀の美しさが分かりました。図書館のカウンターで受け取ると読むのがワクワクするような素敵な黄色の装幀でした。
親王の高潔な様子と、奇想天外な出来事が不思議と相まって毎日睡眠時間を削って楽しく読めました。
素敵な本をご紹介下さりありがとうございました^_^
コメントありがとうございます!
日記で紹介した本が気に入ってもらえて嬉しいです。
私は文庫本で読んだのですが、ハードカバーだとまた味わいが違うのでしょうね。
また読みたくなってきました。
日記には上げてないのですが、少し前に澤田瞳子さんの「孤鷹の天(上下)」を読みました。
デビュー作とは思えないほどの完成度で最初から最後まで引き込まれて読みました。
こちらは奈良時代のお話です。
すごくおすすめです!
本をおすすめくださりありがとうございます(^_^♪)
奈良時代、好きです。
時間ができたら図書館で探してみます。
今は井上靖の額田女王を読んでおります。(これは自分の本です)
こんばんは。
私もいい年になってから奈良時代が好きになってきました。
ちなみに私が澤田瞳子さんの小説を読んだ初めての作品は毎日新聞の連載小説だった「恋ふらん鳥は」で、額田女王が主人公でしたよ。
それで久しぶりに額田女王を読みたくなったのです。
全く違う額田女王でした。
初めて読んだ額田女王は少女マンガ「天の果て地の限り」という本でした。その後で井上靖の本を読むと、まるで愛する「天の果て地の限り」の原作のように人物像がそっくりでした。そのような訳で「恋ふらん鳥は」私にとって少し違う人物でした。1人の女性として魅力的な人でした。
そんな話をすると、山の辺の道を歩きたくなります。歌碑が多いから。
私も今までの額田女王のイメージと少し違うなぁ、とは思っていたんです。
とは言っても私のそのイメージは昔のTVドラマで松平健が大海皇子役だったものを見た時のものですが。
このドラマの原作も井上靖のものだったんでしょうね。
私も今度は飛鳥周辺に行きたくなってきました❗?
県立万葉記念館には行った事あるのですが、犬養万葉記念館の方は行ってないのです。
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