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アライテントのカタログ内に『野宿愛好家』なる言葉があった。
まさしく、これだな。
而今而後、自称は野宿愛好家にしようか。
野宿愛好家兀狄山人……落ち着きが悪いな、
野宿家兀狄山人。 なんか、書家魯山人みたいで偉そうでいいな。胡散臭くて、何か奇妙で哀しくお可笑味も無くはない。？？？
野宿家 ……。登山家とは百万哩ﾏｲﾙ離れて。
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皆様の文章や記録を読んでいると、世の中にはかくも沢山の凄い能力の、山好きな、篤志家の方々がいるものだと、自らを省みて忸怩たる思いを覚えざるを得ない。
かっての恥多き山行を思うにつけ、自分は登山なんか一切やってなかったなぁ〜、と思うのだった。
だいたい、幼少より文弱の質ﾀﾁにて運動なんかやったことがない。スポーツなどは観るのもやるのも大嫌い。五輪だの蹴球だの厭忌するを憚らず。
山に逃げなければ生涯運動など好まず、疾ﾄうに酒に溺れて鬼籍に名を連ねていただろう。
岩は怖い、独りだから憧れるが沢も無理、雪山も精々雪遊び。ヒトのいなそうな赤線コースばかり拾っている。
だから、自分のは登山では無い。
山に行って酒を飲んで寝ていただけだ。
巷間ｺｳｶﾝの煩わしさから逃れんが為に山野に逃げて人を避け、泥酔惰眠を貪っていたに過ぎない三十余年。
小屋を避け、団体を避け、平日、雨天曇天を厭わずヒトの少ない山ばかり、花あるとき花を避け、秋に錦繍を逃れ、わざわざ遠征し指呼の間に立ちながらも山頂すら踏まなぬ天の邪鬼数知れず(さすがに初回は立ちます。ペロッ)。なんとも……。
だいたい、ウルトラライトだとて始まりは、山小屋で酒を買うのが嫌なばかりに(金もかかるが、何より何度も何度も乞う自らが浅ましく恥ずかしい。特に昨今小屋番が自分の娘より若い女子になって益々……)、酒を余分に持ちたいが為に山道具を軽くしたいところから始まっている。
不純極まりない。
揚げ句に山で酔ってころんで骨を折り這って降りても尚懲りず、肝の臓を病んで死にかけていれば世話はない。
僅かな救いは、静かな林道歩きや、(バス時間に縛られず、バス運休、ロープウェイ点検を狙い)鉄道駅まで歩ききる、歩き旅の楽しみと、山野下界をとわず野宿の喜びを知ったことだ。
四国札所を通し打ちして以来、車道すら苦にはならなくなった。
そして、ネイチャーストーブと出会い、タープ泊の楽しみを知り、今では小屋はもとより、(たま〜に友人と)テントで寝ることさえも「一泊損したなぁ〜」と覚える下根に成り果てた。
あー、あさましや。天なるかな命なるかな。ゴ〜ン(梵鐘♪)
。。。。閑話休題。。。。
と、野宿の定義を調べてみたが、なんと巷では野宿が流行っているらしい！？
しかも女子に？平和ボケ世も末だか、はたまた世間を舐めきっているのか……いやはや、である。
……野宿は、下界の方が遥かに怖い……。
もとい、他人事。好きになさればよろしい。
定義の方は定かならぬも、諸説は小生の思いとかなりの径庭ｹｲﾃｲがあった。アラララ
なんと、キャンプ場でテントで寝るのも野宿？に入るらしい。
駅で寝るのも野宿？
小生の感覚では、タープであっても管理テント場で寝るのは野宿ではないような気がする……。
四阿ｱｽﾞﾏﾔや、軒下は野宿だが、小屋や駅は微妙だな……場所によるかなぁ〜。無人駅なら文句なく野宿。バス停も野宿。ビジターセンターの軒下も野宿。
テントはどこであっても野宿ではない。
ツェルトも、何と無く野宿ではないかんじだが……これも微妙だなぁ……状況による？
確かに、状況依存だな。
知り合いの庭でツェルト泊は野宿じゃないけど、無人の廃屋の庭でなら立派に野宿だし……
うーん、定義は難しい。感じ、である。
非合法の臭い、アウトサイダーの感覚、強い非日常性、放浪との通奏低音(文学的比喩です)。
何より、履き違えたひねくれた自由。
なんだかわからないや……(投げ槍ピゅ〜)
あ、昔身内で、テントはシェルターかってって話になった時も、小生は「んなわけないでしょ」と思っていたのだが、必ずしもそうではないらしい……
なら、わざわざシェルターと言う意味がなくなる。
非自立式簡易シェルター、とでも言えば良いのだろうか？
笑止、冗長な。テントは御殿。
と、云うわけで、野宿家もとい正確には野宿原理主義者……？……いやいややはり、我が隣人所沢の誇り、アライテントにならって
『野宿愛好家』かな。
野宿愛好家の山ちゃん、でーす。…………似合わん……
以上。
(写真;ヘリウムは甲武信(管理！)テン場、にて)
兀狄gotuteki 山人記
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