クロスカントリースキー

いつもお世話になっている近場の(と言っても70km離れている)クロスカントリースキー用品店で売り上げの推移について教えてもらう機会がありました。
山形県内にあるそのお店では、20年ほど前は近隣の町から買いに来る人だけで十分な売り上げがあったのですが、ここ数年では東北六県を相手にしてもその当時の1/3しか売り上げがないそうです。
また、クロスカントリースキー専門店とうたってはいるけれど、徐々にクロスカントリースキー用品の売り上げが減少したために、今は他の分野のスポーツ用品が売れ筋なのだそうです。

1/6(日)に掲載された北海道新聞の記事によると、2030年の冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けて、札幌市内の公道を競技コースにする構想があるのだそうです。
市街地でスポーツ競技が行われる、という事に関して言えば、冬季競技では非常に珍しい出来事なのではないかと思います。
冬季競技であるクロスカントリースキー競技において、夏季大会で言うところのマラソンやトライアスロンのように、沿道から声援を送ることができるようになるかも知れないのです。
この構想が実現し、使われた競技コースが一般市民にも使えるように整備されれば、皇居ランを楽しむ東京都民のように、札幌市民がクロスカントリースキーで大通公園を走る姿が当たり前に見られるようになるかも知れません。

最近、トレイルランナーのためのクロスオーバートレーニングやオフトレーニングとしてクロスカントリースキーを推奨する記事を見かけるようになってきました。
上田瑠偉選手や山田琢也選手のようなトップレーサーも積極的にクロスオーバートレーニングとしてクロスカントリースキーを取り入れています。
もっとも、山田選手はもともとクロスカントリースキー選手ですが。
その逆に、クロスカントリースキーヤーがトレイルランニングをオフシーズンのトレーニングとして取り入れているケースもあります。
ノルディック複合の渡部暁斗選手もトレイルランニングをオフトレーニングに取り入れて、山を走っています。

ノルディック競技においては、渡部暁斗選手、高梨沙羅選手が世界的に成功している好例ですが、クロスカントリースキー単独として世界に通用する選手は残念ながらいません。
ある競技において、世界に通用する選手を育成するためには、それを支える組織と競技人口の多さが必要な要件ではないかと考えています。
競技人口が多い競技ほど、統括組織は大きく、そして財力もあります。
私が熱中している山岳スキー競技(SKIMO)においては、競技に参加している国として日本だけがナショナルチームを組織していませんし、海外参戦するにあたっては当然自腹で参加しなければなりません。
このような現状では、世界に通用する選手が育つに十分な環境とは言えません。
山岳スキー競技に限らず、マイナー競技で成功したいと考えている競技者は皆、自力でなんとかしようともがいています。

クロスカントリースキーは、誰でも知っているスポーツだとは思いますが、経験者は非常に少ないと思いますし、日本国内では情報量が極めて少ないスポーツだと思います。
私自身は、クロスカントリースキーを競技としてではなく、冬場のトレーニングとして取り入れていますので競技経験はありません。
それでも、クロスカントリースキーが大好きですし、より高い技術を身につけたいという向上心もあります。
幸い、練習環境には比較的恵まれていて、早起きして練習に出かけたり、ナイター設備のあるスキー場まで出かけたりと、毎日でも練習できる環境があります。

クロスカントリースキーの醍醐味は、アルペンスキーのように高いスピードでの滑走やターンを楽しむことではなく、ハアハア言いながらスキーで走り回ることだと考えています。
リフトに乗らず、自分の脚でスキーを滑らせ前に進みます。
時に坂を駆け上がり、転ばないように坂を滑り下り、また走り出す。
ゆったりと楽しむこともできますが、クロスカントリースキーの醍醐味はハアハア言うことに尽きると思います。
脚力だけではなく、腕力や体幹の力も総動員して走るために、とにかくハアハア言います。
こうした身体に負荷のかかる過酷なスポーツですので、どMスポーツと呼んでいます。
どMスポーツの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、お店のお客さんやガイドで案内したお客さんにも積極的にスキーを勧めています。
潜在的どM体質の人が集まり、今では6名のどMスキーヤーと一緒にクロスカントリースキーとSKIMOを楽しんでいます。
みんな、ハアハア言って苦しそうな顔で練習していますが、走りきった後の笑顔はどの人も清々しさを感じます。

コメント

essan

RE: クロスカントリースキー
雪国に住んでいて今のようにトレイルランニングをしていたら、私は絶対やります(^-^)👍
街中でクロスカントリーは北海道でしたらとてもマッチするし魅力的ですね。

cafemonte

RE: クロスカントリースキー
こんばんは。
どM志願、うれしく思います。
スキーは、道具と雪が積もる環境と両方揃わないとできないスポーツなので、やりたいと思ってもできないスポーツであるところがネガティブな要素です。
せめて、テレビ中継でワールドカップを定期的に放送してくれれば、人気も高まるのではないかなーと期待しているのですが、とにかく放送しませんね…
冬季オリンピックの札幌大会が実現し、市街地コースが実現したら、よそ者なりに嬉しい出来事です。
レースも是非、見に行ってみたいですね