ウチョウランという地生ランを培養栽培したことがあります。
それはまだfeveがヘタレOLをやっていたころ、ある日「今日からfeveさんにはウチョウランの培養をやってもらう」と。
「ウチョウラン?胡蝶蘭と違うんですか?」
上司が差し出したのは三角フラスコの中で可憐に咲いている小さいラン。
「なんだこれ?」
「これ人気があるから売り出せるように培養を研究してくれ」
「はー」
どうも無菌操作でランを増やしてゆくらしい。聞くところによるとランから種を取って無菌培地にバラマキ、種が芽を出したら(5ミリほどの芽です、根っこを入れても)、培養培地に移植、そのまま育てて、根が3センチほどに育つまで培養する。そしてようやくラン専用の土に植えて花が咲く。
なんでも3年程培養しないと花は咲かないとのこと。ツマリ3センチの根になるまで3年かかるわけです。「気の長い研究だなー」と思いましたが、仕事を選ぶ余裕なんてなかったfeve、取り組みました。
ピンセットと三角フラスコを抱えて、クリーンベンチと机を往復する毎日になりました。
これが、自然界だったら種がこぼれて生育して花が咲くのに3年かかるというわけです。根が育つのに3年かかるわけですね。ウチョウラン、色がきれいなので人気があって、でも山で咲いていても持っていかれるケースが絶えない、野生物はとても少なくなっているそうです。
スプリングエフェメラルの他の仲間もたぶんこれと同じ育ち方で増えているものと推測されます。
話は変わって、旅行先の産直で売られている可憐な山野草、「これが自分の庭にあったなら」という欲望に負け、もしかしたら山からとってきたものかもと一瞬思っても、買ってしまう。
ありました、やりました(−−)。山野草の盗掘に手を貸した過去があるんです
(−−;。
ウキウキして帰りのバスの中でスプリングエフェメラルの苗を見ているfeveを思ってください、←盗掘かもしれないのに本当にもの知らずです。かわいそうなスプリングエフェメラル、無造作にfeveの庭に植え付けられ、極暑の夏を過ごす運命なのです。
しかーし、庭に植えてもその年は咲きますが、蕾が付いているので咲きますよね、でも翌年には咲かない、芽が出てこない。
なぜか?
平地の庭は夏の気温が高い。地上部が枯れて根だけになったスプリングエフェメラル、乾燥に耐え切れず、消えてしまったわけです。
スプリングエメメラルが生えている場所、夏でも気温が低い、とか、腐葉土でふかふかになっているとか、木の陰になっているとか、水分が保たれているわけですよね。デリケートな存在なんですね。
だからお店で山野草を見つけても、夏を越させるのに黒い蚊帳を用意して日よけをしたり、専用の土を用意して、扇風機を買い、増やすのにクリーンベンチを買わないといけないとか、簡単に育てるわけにはいかない、安易に買ってはいけないんだなーと。
きっとここには昔山のようにカタクリが咲いていたんだろうなーと絶えてしまった山を見るのはカナシイです。
feveにもっとお金があったならクリーンベンチと山のように三角フラスコを買い、カタクリの種を取って、培養を研究し、たくさんのカタクリやほかの山野草を作り出して、山に戻すという研究をするのですが、そんなお金もないしテクもない。
せめて産直で売られている山野草には手を出さない、これが精いっぱいの抵抗でした。
feveさん、はじめまして。
うちは母が山野草が好きです。主に老齢になって園芸ができなくなった親戚縁者や近所の方から譲って貰っていますが…足が悪くて盗掘なんて出来るわけもなく。(実家は涼しいので花は結構咲かせてます)
まあ、それらのスタートは盗掘からかもしれません。園芸種も元々は盗掘したもの同士を掛け合わせて増えたかもしれません。それを犯罪とは呼ぶのは酷ですが、盗掘とわかっているものを今の時代に購入するのはよくないことでしょうね。
でも、ウチョウランの培養には興味が湧きます。私には仕事でも絶対無理…育てられないのを知ってるから山野草を欲しいとはおもいませんが。研究や保護目的に培養するのは悪いことではないでしょう。営利目的ではあるけれど、動物園や植物園への理解に近い感覚かなと思います。
minislopeさん、コメントありがとうございます。お母さまが作られた園芸の庭にああだこうだというものではなく、ただ昨日は入った山での盗掘が、たぶん業者さんに販売する目的でごっそり持ってゆくケースが多くのだと思われます。
昔はいっぱいあっただろうにもう一本もなくなっているなーと、山野草は育つのが遅いから安易な気持ちで売らないでほしい、保護してほしい、単純なfeve、思いついたことをそのまま、書きました。お母さまやminislopeさんをを傷つけるつもりは毛頭ありません。
ウチョウランの培養はおっしゃる通り、営利目的でしたが、私一人でそんなに培養ができるはずもなく、育つのも遅いし、私もとっくにクリスマスケーキ状態で(^^;、細々としたものでした。
保護を目的とした山野草の培養栽培が活発になって、山へ山野草を戻し、山を歩けばカタクリやシラネアオイが目に付くのが当たり前の世界になったらいいなと思います。
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