テレビを見ていたら、穂高ロープウエイに乗れば、真冬でも楽ちんに穂高と槍ヶ岳が見られるらしい。この冬の旅行にいいかも。
奥飛騨温泉郷にまでたどり着けば、なんとか一泊二日でロープウエイに乗って帰ってこられるかも。しかし、どうやって奥飛騨温泉郷にたどり着くか?バスでは平湯温泉までしかたどり着けない。車を現地調達しかないのか。運転が苦手なfeve、私の状況処理能力をはるかに超えている。
温泉でなぜか思い出したのが、お局様。なんでもいまだに存在していて新人女子社員の脅威になってるとのこと。新人女性社員はうっかり刺激しないように、服はみんなユ〇クロでそろえるらしい。値段も手ごろ、派手でもないし。
これは山でいうと下手に目立たないように装備はみんなモ〇ベルでそろえるというようなものか?モ〇ベルはありがたい存在である。特に私のような右も左もわからない山の闖入者にとって。おしゃれにもなってきたし。
お局様、いました。私の時代にも。偉い美人、服装もおしゃれ、なんでも聞いてね、今月誕生日?ケーキ切ってあげるね、とのこと。印象は悪くなかった、初めて見たときは。
うわさではコワいらしい。部長の若いころを知っている。お偉いさんにもつ手があるとのこと。でもとりあえず、刺激をしないように過ごせば何とかこなせると踏んでいた新人社員feve。
しかーし、ある日を境にして、状況は変わってしまった。朝通常通りに出社して、仕事を一通りこなし、お昼に向かった社員食堂。入ったとたん、ざわついていた食堂がしんとなってしまった。
なんだろう?食堂のトレイに味噌ラーメンを乗せてぽかんとするfeve。
声が飛んだ。「初めてみたとき、何よこいつって思ったのよ」お局様の声だった。何か刺激してしまったらしい。一瞬で判断したfeve。青ざめる。何をしたっけ?←覚えがない。
そういえば田舎者のくせに昨日今は亡きプ〇ンタン銀座で一万円を超えるバッグを今年も頑張ったご褒美に買った。そんなことぐらいだった、思いつくのは。
きっと目立ってしまったんだろう。癇に障ってしまったんだろう。何が気に障るかわからないという噂だった。ざわざわと声が聞こえる。
泣き崩れてやろうかと思ったがここで騒ぎを起こしても。
とにかく、嵐が過ぎ去るのをひたすら耐えたfeveだった(本当の嵐、南極のブリザード級だった)。目を合わせない、エレベーターに乗らない、トイレで化粧しない、服はベルメ〇ンで買う。そんな微々たる対策を立てたが、あんまり効果はなかった。
月日は流れ、そんな耐える日々を送っていたある日、社員旅行で温泉へ。旅館で若い女子社員と過ごすはずが、feveだけ、別の部屋。入ってみたら、なんとお局部屋だった。ふすまを開けると揃っていました、メンツが。
荷物をまとめて帰ろうかと思ったが、温泉に入ってこいとの命令が(今でも思い出すと半泣きになる)。
入社3年目でお局部屋に振り分けられたfeveが特異な存在だったのか、それともお局様が執念深くまだ根に持っていたのか。とにかくその晩を何とか過ごし、帰りのバスは無理やり若い女の子たちの間に入ってひたすら静かに過ごした。
振り分けの意味はいまだに謎である。
そんなお局様も総合職に合格して男性社員と同じ給料をもらい、結婚もして人並みになると、女子社員のやっかみを買ったのか、男性社員がお茶とおしゃべりが仕事じゃない、男並みに仕事をしろといったのか、いづらくなったらしく、会社を去っていった。
最後に私のメールボックスに誰にあてたのかわからない、「いろいろ迷惑をかけました、私のプロ意識が足りなかったんです」というメールが入っていた。見た瞬間、誰にも見られないようにすぐさま消去した記憶がある。
それだけ強烈な思い出のあるお局様である。今でもお局はコワイ。
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