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起きたらいいお天気で私は機嫌が悪くなった。掃除、洗濯、犬の散歩、一通りをコナシ、そんな日もある、と自分をなだめた。
20年ほど前、人生を見つめなおす機会があった。このままじゃいけないだろう。そんなことを考え、人様と違うことをしなくてはならないということで戦略を立てた。庭に花を植え、季節ごとに変ってゆく風景を提供しよう、というものである。
そこでまずバラを買った。
普通に売っているバラの苗、ハイブリッドティーとフロリバンダを買い、庭に植えた。きれいなバラを庭で咲かせれば人目に付く、私はほくそ笑んだ。
しかし、バラはすぐに枯れてしまった。なぜならば、バラは日当たりを好む。そんなことも知らずに日陰に植えてしまい、病気になってしまい、薬散もしなかった。
たまたま、日の当たる場所に植え、病気に強いバラだけが生き残った。
私は考えた。バラだけじゃダメだろう。ほかの植物も植えよう。バラも病気に強くてたくさん咲くバラにしよう。
月日は過ぎてゆく。庭を見てはあれがいい、これがいけないと考える日々である。
そんな日々の中で大震災が起きてしまい、築50年の家は柱にひびが入ってしまい、住んでいられなくなった。人生最大のピンチだと思った。ビー玉を床に置くと転がってしまう、家全体が少し傾いてしまったのだ。この先住んでいられない。再び震災がやってきたら崩壊するだろう、絶望的な気分になった。
しかしここで踏ん張らないといけない。なんとか資金を調達し、建て替え、庭の大きな木も切ってしまい、庭に日差しが入るようにした。
日々の合間にバラの勉強もして、病気に強いバラ、イングリッシュローズやオールドローズなどを買うことにした、苗の値段が高いので毎年1-2本を買った。ほかの植物も少しづつ買っては植えて行った。
だんだん増えていった。
お金がかかる、のをさけたい。植物の餌、肥料は安くなる冬の時期にまとめ買いをした。植物も実は冬が安い。売れ残って安くなったものを買って次の時期に咲かせる。ヤマトに出てくるUX01の艦長フラーケン少佐のように捨て犬を拾うような気分で売れ残った植物を買って、次の季節に咲かせた。捨てる神ではなく拾う神に徹した。
実はうちで飼っている犬も売れ残りである。鼻がピンクでまだら模様だったため売れ残ってしまって安くなっていた。注射代と送料含めてバーゲンしますと電話
口でいわれて買ったものである。前の犬が死んでしまい、番犬が必要だった私は自分へのクリスマスプレゼントだと思い、買った。
届いたとき、思ったよりも小さくて鼻のマダラも可愛かった。
今じゃ鼻は黒くなり、実によく尽くしてくれる犬である。
今年も6月が来た。岩手では6月がバラとクレマチスのシーズンである。病気になって枯れたものもある。虫に食われてしまったものもある。そんな中でも生き残って咲いてくれたバラとクレマチスがいろいろな植物が庭を彩っている。
写真は庭で咲いているバラとクレマチス、白いバラはマダムアルディと呼ばれるオールドローズ、真ん中にグリーンアイと呼ばれる緑色の目がある。クレマチスは3年
前に投げ売りで買ったもの、3年たって苗が充実し、よい花が咲いた。ピンクの小さいバラはポールズヒマラヤンムスクと言って、19世紀のバラである。シュートがたくさん出て大暴れをするが、病気に強く、たくさんの花を桜のように咲かせる。
どうもこんばんは。お久しぶりです。
以前もコメントしましたmasです。
すごいてすね、自身の想い一つで庭を整備したり、震災で傾いた家を再建したり、正直その生き方カッコイイと思います。見習いたいです。
実は僕も今人生変えようかと移住して家と畑(山林)を買おうかと考えています。先輩として庭や畑を整備するコツなどありましたら教えて下さい。
あと、犬も飼ってみたいですね。何か花畑と犬って合う気がします。両方カワイイですよね。
こんにちは。山でちょっとした目にあったfeveです。
コメントありがとうございます。私ができたのは親が残してくれたものがあったから、一から始めたわけじゃありません。震災の時人生終わったかと思ったのは本当ですが、いろんな人の手を借りて立て直したのです。
移住をお考えとのこと、Iターンとか言って秋田のほうや岩手の県北のほうで募集している話を聞きました。でもですよ、縁もゆかりもない土地に一人で行って、頑張る、簡単には行きません。田舎は人とのつながりがすべてです。コンビニもない場所へお家を買って住む、大変ですよ。確かに土地は安いし、人は優しいかもしれませんが、よく考えてからをお勧めします。
feveの田舎暮らしがなんとかやれているのは、いろんなものが積み重なっているからなんです。冷たい言い方かもしれませんが田舎暮らし、楽しいことばかりじゃないです。移住する場所はよく考えてから、何か一つでも自分とつながっている場所、そんな場所じゃないと大変です。
あー、こんな言い方をしてしまった、今日は強烈な目にあいました。あとで報告します、読んでやってください。
まず、何か大変な時に余計なコメントしてしまったみたいでスミマセン。
ただ、私ももともと新潟の山の中の出身ですから、田舎の暮らしの大変さということは知っていますし、東北の大震災とは比べ物になりませんが、新潟も二度の地震があり、震災からの復興がそんなに容易な道ではなかったであろうことも認識しています。
でも、それでも日本の地方の自然って素晴らしくないですか?なるべく日本の里山を維持しつつそこに住み、さらに花や野菜を植え、自然と共存しつつも適度な手を入れつつ生きる。理想的な生活と思います。
大変なのは十分承知の上で、それでも飛び込んでみたい、確かにある意味夢物語なのかもしれませんが、理想は高く・夢は大きくいきたいんですけどね。
うーん、これが理想と現実ってヤツでしょうか。ひとまず率直なご意見ありがとうございました。
こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに日本の自然は美しい。4月の桜、6月の日差しや緑、9月の黄金色に輝く田んぼ、でもそれらは長い冬があってこそなんです。田舎の冬は寒いですよ。都会じゃ考えられないことが起きます。水道の栓をおろさないと凍結して水道も出ません。灯油は宅配さんが届けてくれますが月に何万もかかります。里山の手入、継ぐ者がいなくなったら荒れ放題です。
手が荒れてグローブみたいになっても、いい仕事につけなくても、やってゆく自信がありますと言えるかどうかだと思います。こんな言い方しかできませんが都会暮らしのほうがどんなに楽か、です。
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