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鳩待峠を下って尾瀬ヶ原に通じる登山道は、テンマ沢の橋の流出および崖崩れなどにより通行不能に陥りました。尾瀬ヶ原も冠水して木道やベンチの流出により甚大な被害に会いましたが、尾瀬を守る関係者の迅速な努力により、私たちは再び美しい夏の尾瀬ヶ原を楽しむことができました。
関係者のみなさんに感謝です。
尾瀬ヶ原は本州最大の高層湿原であり、春から秋までそれぞれの装いで私を楽しませてくれます。残雪が消えた5月下旬からはミズバショウ・リュウキンカ・ショウジョウバカマ、7月のカキツバタ・ニッコウキスゲ・トキソウ・ヒツジグサなどの可憐な花の数々、そして秋の草紅葉と、それぞれの時季にそれぞれの姿で。
植物は枯れると土に還りますが、生育する環境(温度や湿潤の状況)によっては完全に分解されずに泥炭として堆積していきます。この泥炭が堆積した場所、「湿った原」が湿原です。湿原は栄養分が乏しいために木は育ちにくいので草原となります。尾瀬ヶ原では「泥炭」が5m近く堆積されているといわれています。
泥炭は一年間に0.7〜0.8mmぐらい堆積し、現在の尾瀬ヶ原の湿原の形成には実に7,000年ほどの年数を要したと考えられています。「高層湿原」の「高層」とは標高の高いところにある湿原と考えている方が多いのですが、湿原は形成段階により、「低層湿原」→「中層湿原」→「高層湿原」へと移行します。「低層湿原」は流入する水も多く表面が水でヒタヒタの状態です。次第にミズゴケなどが生育して高さを増し、表面には水も見えない「高層湿原」の形成へと進みます。
尾瀬ヶ原は、東西約6km・南北の広いところで約2km・面積約760haで、周囲を2,000m級の山に囲まれた標高1,400mの高地にあります。
みなさん、それぞれの時季の素晴らしい尾瀬ヶ原を楽しんでください。
※画像は左から
・雪が融けたばかりの湿原に咲き始めたミズバショウ (2011・5月)
・夏の湿原を歩くハイカー (2011・7月)
・秋の尾瀬ヶ原、後方の山は景鶴山 (2011・10月)
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