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大社の遷宮の頃 出雲歴史博物館に福岡県 西光寺の梵鐘【国宝】が展示してあった。念のため解説の方に「金石寺はどこにあったのでしょうか？」と尋ねた。しばらくしての回答が「船上山と推定されます」
「承和六年鴨部立造
便伯耆国金石寺鐘
守護三宝及以□□
平安時代 承和六年（839）伯耆国・金石寺の鐘として造られたが、永正七年（1510）に出雲守護代・尼子経久（1458〜1541）によって出雲大社（当時の杵築大社）に奉納された。その後、多福寺を経て江戸時代の比較的早い時期には松林寺に移っていたが、明治三十年（1897）に大阪の商人より現在の西光寺に納まった。
船上山では智明権現の使令として「狼」の信仰がありました。悪疫、憑き物、稲の虫、西瓜盗人などを退散させることができる霊験あらたかであるとして、近世の終わり頃から近代まで厚く信仰された。船上神社の使徒である「オオカメ」（狼）さん（木彫物や厨子）といわれる礼拝物を借り受け、霊験が現れるまで家や村に安置して祈願し、願いが叶えば神社に返還するもので、これを「オオカメを背負う」と言い、
訓読みにして「フナノエ」ともいう。
「オオカメ」さんを背負ってくだるときは後ろを振り向くこと、途中で休むこと、話すことが一切禁じられており、それを犯すと「オオカメ」さんが山に帰ってしまうと信じられていた。・・・以下略
昨年 船上神社の氏子として春と夏の例祭に参列した。
総代は財産区委員長で高齢者ばかりで休憩を入れながら一時間半ばかりか
拝殿で祝詞をあげ奥の院まで
直会には果物・もち・生たまご・その他
生たまごに箸で穴をあけこれを吸う 塩少々なめての苦行である。
献酒はもちろん「鷹勇」
今年から春の例祭は「船上山さくら祭り」の日となった。
竹下登氏（醍醐の祖父）が首相のときに、ふるさと創生事業で桜を植樹し、現在4500
本程度か
祭り開催の当初は、後醍醐天皇にちなみ茶園原において「負上競走」があった。
当時は まだ若かったので強制的に出場させられた。
騎馬戦のように三名が馬役 背が高くない小生は先鋒 天皇役は誰だったか忘れた。
あまりに過酷な催しだったので一回で取りやめになったかもしれない。
歩き道 マニア向けのプチ岩登り
東坂から横手道を歩くと屏風岩したあたりの先（〔正面登山道←〕の看板のところ）に薄い踏跡がある。それを入ると屏風岩の直下に至り、両手両足を使いながら『千丈のぞき』に直登できる。（登攀愛好者がよく使う）
いつぞやは娘さんグループを案内し落石で冷汗をかいたことがある。
ここは昭和60年国体の岩登りの会場となった。高松宮殿下妃殿下に御高覧いただいた。双眼鏡やらお手植えの松の手配にたいへんだった。若かりし頃 殿下が千丈のぞき
に御立になったとされる。
参考：（以西村郷土史・名勝略記）の項
千丈瀧覗き−巌頭に立って雄大な自然美を眺む。高松宮殿下御立。
http://hp1.tcbnet.ne.jp/~kouriki/kyoudosi.htm#10-1-3
【鱒返しの滝】
橋から15分程度で滝つぼにいける。数少ない裏見の滝 夏は泳げる。滝の展望台からロープをつかまりのぼっていくと滝口に至る。手を離したら川まで転落のおそれあり
一枚岩渓谷を遡行すると水車・炭焼き小屋跡付近から作業道に抜けることができる。（大山概念図に道が記載してある）右岸側にも道があり作業道を通って鱒返しの滝橋までくだる。小屋あとから更に沢を遡行すると三又となる。
この沢を勝田ヶ山まで登った強者もいる。
【大流森林鉄道】
三十年ほど前に東坂から西坂まで森林鉄道軌道を刈払いした。赤碕町歴史解説員の養成講習であった。道なかばに風穴らしきものがあったが今ではその下が展望駐車場として整備されている。
この軌道は昭和13年頃から倉吉営林署によって、源蔵の谷などで焼かれた炭を搬出する道路として建設されたもので、風穴谷付近までは大山まいりの道が利用されている。その後、軌道が敷設されたのは第二次大戦後のことである。
戦後の敷設は、ブナ、ナラなどを搬出するために昭和25年頃から始められた。最終的には甲川上流付近まで延長され、総延長約8キロで勾配は約千分三であるという。源蔵の谷から奥には約十ヶ所の橋がかかっていた。甲川に近い大渓谷には二段構えの橋が架かっていたと言われている。これらの橋台は全て石積みで造られており、主に四国方面の石工があたったという。全体の工事は井木組が請け負われたという。この軌道には、最初、手押しのトロッコが通り、後に牛が使用され、最後はディーゼル機関車が導入されたと言われている。
伐採されたブナなどは、合板の枕木の用材として利用された。これらは、東坂付近から架線によって現在の県立船上山少年自然の家付近に集積された後に赤碕駅まで運ばれて、倉吉市の製材所に送られたと言われている。なお、伐採の跡にはスギ、ヒノキなどが植林された。
この軌道は昭和30年頃まで使用されたと言うことである。その後は、利用する人もほとんどなかったが、現在は東坂と源蔵の谷の間が自然散策の道として活用されている。
『船上山案内記』から抜粋
歩き道
西坂をのぼり源蔵の谷に向かう。ここは集積地で駅舎があったと推察される。さらに進むと下方から甲川の水音が聞こえる。大障子岩付近は落石に注意。西坂の分岐から一時間半で崩落地点。（冑滝上部）崩落地から先にまだ軌道跡があるが高巻も困難である。
香取の牛飼ノ尾から甲川に入り大流れ（山本沢）を遡行すると軌道跡がある。更に遡行すると大流れの滝。
近所に木材搬出作業に従事した人がいる。持参した「鷹勇」を飲みながら話をきいた。軌道の二重橋の写真があったが紛失してしまった。遠戚の方が作業中にブレーキがきかず事故で亡くなったとか、役人が検査にきたが接待の酒がきれて作業小屋から山川木地まで夜中に買い出しにいったとか・・・・・古老も一昨年逝ってしまった。我が家の爺様も泊まり込みで炭焼きをしていたらしい。
木造の二重橋の写真を見せてもらうため、古老のお宅を訪ねたが写真みつからず。
詳細は森林鉄道のマニアが掲載しているので閲覧できる。
大流れ（山本沢）から入り大障子岩の先の崩落した個所を高巻きし船上山東坂まで歩
いた達人がいる。いつぞや、妖精の滝を同行した博識の方である。
【船上神社】
五、船上神社（大字山川字船上山鎮座）
祭神 伊弉郡美命、速玉男命、事解男命
由緒 智積寺縁起によれば当山は智積仙人の創むる所にして元明帝の時赤衣上人寺を建て智照権現の祠を建てて神佛両部の守護地としたりと、燈籠台石の文保二年と刻せる約六百二十年前のものあり、降って元弘三年二月後醍醐帝を船上山に奉ずるや、帝親ら祠に戦勝を祈らせ給いしに神感空しからず、たちまち雷電風雨起こり晦瞑咒尺を辨ぜず。官軍この機に乗じ大いに賊軍を破り宸襟を安んじ奉ったのは、名和氏の誠忠に依るといえども実は神の冥祐に外ならざるにより、帝中興成るの後社殿を荘麗にし邑地をも賜りしに後天文十三年土匪此山に據り壮麗なる社殿は兵燹にかかり、大いに荒廃せんとせしに天文二十二年佐々木民部小輔晴久これを修理し更に知行六百石を附せり。後亦衰微せしが、慶長十八年佐々木肥前守輝久の特志によりて修復を加えたり。
寛永七年池田光仲に至りて邑地四石七斗八升七合を獻じ、社殿を修理せしをもって僅少に廃頽を免がるるを得たり。
明治十一年に至り神佛判然令ありしかば梵鐘等は竹内法蔵院に移し改祭して純なる神山となし同年山上は船上神社と改称せられたり。また当社の西南に奥宮と称ふる小祠あり。後醍醐天皇と大山祇命を祈れると言う。
例祭日 三月二十三日、六月二十三日
建造物 本殿、拝殿
境内坪数 六千五百坪
崇敬者戸数 三百戸
『以西村郷土史』から
【天皇屋敷】国土地理院地図 標点：869ｍピーク付近
船上神社から一時間で天皇屋敷の分岐になる。
７〜８年前関係者が刈り払い整備したときく。
木柱と祠？があり池（井戸）の痕跡があるらしい。
このあたりクマの出現のうわさがあるらしい。
5月23日天皇屋敷探索 分岐から藪漕ぎするも向こうからガサガサ音がするので撤退
5月29日天皇屋敷探索 当局の調査に同行 標点：869ｍまで到達
天皇屋敷−山上一里余りにして平坦なる地あり。（以西村郷土史）
神社の前より南奥に向かい、深林の間一条の山道を進むと難渋を重ねて天皇屋敷につく。四周密林に囲まれ、土地は平坦であるが雑草が茂っている。一見屋敷跡のように見え、合戦の間の行在所ともいわれ、別には大昔は行者の行場であったと伝えられている。（赤碕町誌）
琴浦町の歴史文化の重鎮 小谷先生（河本家（国指定重要文化財）春の公開で「船上山の天皇屋敷と河本家」講演）によると
「船上神社付近の行在所から警備上の都合で移ってきたのではないか。」
参考：河本家HPから 講演会等資料
http://kawamotoke.com/
写真一 三年に一回となった山焼き 今年は4月9日の予定が天候不順により16日
二 鱒返しの滝 岳獅会の方々
三 大流れ（山本沢）の森林鉄道軌道跡
