登山の本を読むと1時間の歩行で10分の休憩という記述を良く目にする。
皆さんはそのペースで休憩しているだろうか?
自分はそもそも休憩を取らずに出来るだけ長い時間歩く。
ザックを置いて腰を地面やベンチにつけるのは食事の時のみだ。
それもせいぜいオニギリを食べる10分程度の事である。
では、それでバテずに歩くことができるだろうか。
答えはYes, We Can !
休憩というのはザックを置いてべったり腰を落ち着けることだけではない。
山行中には、様々な場面で心拍数を落ち着ける機会がある。
7月に初めて北八ヶ岳(麦草から蓼科山周回で麦草戻り)に行った時、
心拍数の記録を振り返ると、平均は126拍/分、
最高でも161拍/分である。
年齢から計算した理論上の無酸素性作業閾値、
要するにこれ以上激しい運動を続けると乳酸が溜まってバテる限界を
心拍数で表すと自分の場合約132拍/分。
見事にその範囲に収まっているのである。
では、どれだけ休憩したかかと言うと、まとまった休憩は10時間30分
の行動時間のうち朝食の10分、昼食の15分、ロープウェイ駅で
ジュースを飲んだ15分で合計40分のみである。
記録は
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-211860.html
ところが心拍数の記録を見ると、意識せずに心拍数を落ち着かせている
局面が何度もあり、それでバテなかったというのが良く判る。
1.北八ヶ岳独特の苔で何度か転倒、都度泥を払ったり怪我の確認でストップ。
2.写真撮影。
3.トイレ。
4.すれ違いで譲るために停止。
5.反対から来た登山者と会話。
6.道迷いでテープやGPSの確認。
7.分岐で地図の確認。
8.ストックの出し入れ。
9.給水。
10.急斜面での渋滞。
11.汗を拭く。
項目だけでもこれだけある。
これが各々数回出てくれば、たとえそれが数十秒ずつであり
自分では休憩として意識していないにも拘らず
心拍数はバテない程度にコントロールされていたのである。
翌日は南八ヶ岳で、硫黄、横、赤、阿弥陀をグルッと周回。
ピークは157拍/分、平均は127泊/分で同様に
うまくコントロールされている。
この時は行動時間7時間50分に対して、まとまった休憩は
3回で合計16分。記録は
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-212096.html
この時は
反対から来た登山者との会話は無かったが、北八ヶ岳の場面以外に
1.横岳から赤岳の梯子や鎖で慎重に登り降りした場面
2.阿弥陀への登りで落石を起こさないように意識的にゆっくり登った
3.阿弥陀からの下りで渋滞に巻き込まれペースダウン
これでやはり意識せずに心拍数を下げてベストのペースが
保持できたのだと思う。
無酸素性作業閾値についてはググってもらえば資料はいくつも出てくる。
本格的には乳酸や呼気を測定するようだが、
山行中に測定できるのは心拍数のみだろう。
通常の装備以外に必要なのは胸に付けるバンドのみなので負担はない。
次回は、平均心拍数をもう少し上げた実験レポートを行ってみたい。
大変参考になる日記ありがとうございます。私は給水を頻繁にとりますので、休憩回数は多い方です。天気や気温によりますが。ハイドレーションはもっていますが、好きではないので、ペットボトルを胸ベルト辺りにつけて、なるべくザックをおろさないようにしています。だいたいですが、60−90分歩いて、5分程度の休憩でしょうか。お恥ずかしながら、まだスモーカーゆえ、二時間に一回は、タバコ休憩。但し、登山道や山頂から外れたところまで行き、他の方に迷惑にならないようにしています。心拍数管理もしていますが、胸ベルトなしの時計型ゆえ、樹林帯の中では、メーカー曰く静電気の関係で、計測できないことが多々あります。
はじめまして、kennogu様、仰るとおりだと思います。本に書いてあるのは、脱水の予防と十分なカロリー摂取を促す為だと勝手に解釈しています。ちなみに、まだ自分よりは遅い子連れで歩いているので心拍数は管理していません(笑
一冬子連れで歩いた結果、まとまった休憩は取らないで済むようになりました。真冬の秩父で10分も止まっていたら寒くてどうしようもありません。その習慣が家族全員、身についたまま夏山も歩き続けています。
30-60分ごとに1,2分立ち止まったり歩を緩めたりして給水や行動食を摂るようにしています。トイレ以外は基本ザックも腰も下ろしません。
私自身は体が冷えてしまうので、出来れば昼食休憩も取りたくないのですが、子供が楽しみにしているのと、子供の摂取カロリーのつじつま合わせの為にはもう暫くは無くせないところです。
ところでMikuni様と同様、私も下界では喫煙します。雲取下山中、鴨沢バス停が見えてきたので歩きタバコしたところ、とたんに足が動かなくなりました。以来、山には持って上がりません。小屋などで薦められたら喜んで頂戴しますけど(笑
Mikuni様、1955様
コメントありがとうございます。
私も以前はスモーカーでしたが、米国から帰国した便が禁煙席しかとれず(昔は喫煙席ありました←一体いつの時代だという感じですが)、成田についたら他人の煙が嫌でそれ以来禁煙してます。
禁煙したら走れるようになり、フルでもハセツネでもウルトラでもなんでも来いという感じです。
私もどちらかというと心拍数を管理するというよりは感覚的には冷えないように動き続けているという感じです。ただ心拍数が上がると給水したり、写真撮ったり、行動食食べたり、無意識のうちにオーバーペースにならないように調節しているのだと思います。
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