前回紹介した「飛龍の滝」の上流にある滝で、落差は4mほどしかないが、前後に滝が連続している。明瞭なルートはない。
大宮川は比叡山延暦寺根本中堂を源流として、坂本の日吉大社から琵琶湖の注ぐ川で、比叡山中では一番大きな谷です。この大宮川のことはほとんど紹介されることがないのですが、大津市近郊随一の渓谷美を見せてくれます。
踏み跡程度の道はあるものの、初心者向けの沢登りコースといってもいいくらいで、あまり人は入らないのではないかと思われます。水は清らかで、名もない小滝がいくつも懸かり、市街地から近い場所とは思えないところです。
この渓谷部分の最上流部に「神蔵ヶ滝」という滝があるという情報はつかんでいましたが、その滝の下流部分も気になっていたので、日吉大社の境内上流から谷におり遡行を試みました。
どうして気になったか、それは地形図を見ると、根本中堂から流れてきた比較的緩やかな流れが、「神蔵ヶ滝」があると思われる地点より急に傾斜が強まり、日吉大社までの約800mほどの距離を標高差150mで駆け下っているからです。
このように急に傾斜が強まる地点を遷急点と呼びますが、谷の遷急点には滝が存在する可能性が高いのです。それを確かめに行きたかったわけです。
車道から適当に谷におり遡行を開始すると、思っていた通り大きくはないものの滝が連続していて大満足でした。
このように人知れずの美しい渓谷や滝は、案外近くにまだまだ存在しているかもしれません。地形図で見つけた気になる谷の遷急点はいくつもありますので、機会があれば探っていきたいと思っています。
日吉大社より車道経由、途中より谷に下りて計1時間少々。車道を衣掛岩まで進み、谷に下りるルートもある。
写真左が神蔵ヶ滝、中央は神蔵ヶ滝上にある藤ヶ瀑跡、右はF1とも言える段瀑
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