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2017年07月08日 19:46未分類全体に公開

鹿柵に阻まれて〜高川山〜

高川山を苦労しながら下りてきて、最後の最後に待っていたのは・・・という話です。
5年ほど前の8月上旬に、私は高川山に登りました。大月駅から歩き始め、むすび山から続く少し長い尾根道をゆっくり進みました。私はこのむすび山ルートが大好きで、何回も歩いています。
いつもながら気持ち良い尾根道だな〜と、良く整備された登山道をいくつかのアップダウンを繰り返しながら、山頂に達しました。山頂で、富士山や三ツ峠山などを眺めながら、ゆっくり休憩しました。
さあ、ここからが本日のメインイベントだぞと、気を引き締めて下山を開始しました。いつもなら男坂か女坂を林道に下るか、羽根子山を越えて屏風岩から初狩駅に下るかするところですが、この日は羽根子山を越えた後、近ヶ坂峠から大幡峠に下ろうと計画したのです。
このルート、現在の昭文社の地図には点線で書かれていますが、当時の地図には何も書かれていませんでした。某出版社の本にこのルートが紹介されているのを見て、歩いてみようと思いました。
計画の段階で、下りでもあるし、自分にはちょっと難しいかなと思いましたが、慎重に歩けば何とかなるだろうと、紹介文を熟読してから挑戦することにしました。
近ヶ坂峠までは簡単に進めましたが、そこから先は踏み跡がほとんど無く、また尾根が広くなり、だんだんルートが怪しくなってきました。初めのうちは目印がありましたが、それも無くなってしまいました。
やっぱり自分には無理だったなと、引き返そうと思っていたところ、尾根の左側に踏み跡を発見したのです。これに踏み込んだのが失敗の始まりでした。雲取山の時もそうでしたが、私はそういう踏み跡を安直に辿ってしまう癖があります。これは直さなければいけないと思っています。雲取山での経験が全く生かされていませんでした。
それは作業道の様な道で、初めのうちは順調に進みましたが、またまた踏み跡が怪しくなってきました。今なら当然そこから引き返すところですが、その時は、麓までもう少しだからこのまま下ってしまおうと、下山を続けました。
そもそも地図を良く見れば分かる通り、大幡峠に向かうには、尾根を外れて左側に下って行くはずがないのです。まだまだ山のことが分かっていませんでした。今まで山で遭難しなかったのが不思議なくらいです。
そこからは、獣道の様なブツ切れの道を、笹かススキをかき分けながら、しゃにむに下り続けました。歩きながら、「あ〜あ、失敗したな〜。やめときゃ良かった・・・」と心の中で泣き言を言っていました。
それでも粘り強く下り続けていると、幸運にも送電鉄塔に突き当たりました。やっとそこで一息つくことができました。どこかに巡視路があるはずだと探しましたが、はっきりとは見い出すことができませんでした。しかたなくそれらしき踏み跡を辿り、決して良い道ではありませんでしたが、必死に歩き続けました。
そしてついに、畑のすぐそばまで下りてくることに成功しました。畑の向こうには民家がはっきりと見えます。やれやれと思ったのも束の間でした。そこには鹿柵が張り巡らされていたのです。(もちろん、畑に鹿柵など当たり前のことですが。)
そこで困ったことに、扉が無いのです。一般登山道であれば、普通は簡単に開け閉めできる扉がありますが、何せ無茶苦茶に下りてきたので、あろうはずがありません。その柵はけっこう背が高く、有刺鉄線が付いているので、どうしても乗り越えられませんでした。
真夏の炎天下の中、しかたなく扉を探すことにしました。最初は左に向かって鹿柵沿いに歩いていきましたが、どこまで歩いても扉が見つかりません。途中で見切りをつけ、もとのところに戻り、今度は右に向かって歩いていきました。
畑に人がいれば恥を忍んで扉の場所を聞けるのでが、とにかく広い畑で誰もいないのです。いざとなったら、民家に向かって大声を出すか、それでもダメなら最後の手段で○○○番するしかないなとか考えていました。
扉の捜索開始から1時間以上経っていたと思います。ついに鹿柵の扉を探し当てました。暑さで頭がボーっとなり、その場にへたり込んでしまいました。それは簡単に開閉できる普通の扉で、鍵は掛かっていませんでした。もし鍵が掛かっていたらと思うと、ゾッとします。
畑の中を通らせていただき、やっと車道に出ることができました。地図を見て、たぶん今この辺りだろうと見当をつけ、左方向に歩いていると、地元のおばさんがいたので、一番近い駅はどこかと尋ねました。おばさんは、都留市駅までの道順を親切に教えてくれました。都留市駅・・・その時はっきりと自覚しました。ずいぶん違う方向に下りていたんだなと。
というわけで、とりあえず今回も何とか事無きを得ましたが、反省すべき点がたくさんある山行となりました。こういう失敗を重ねながら、徐々に賢くなっていったことは確かです。それにしても、最後の最後によりによって鹿柵に行く手を阻まれるとは・・・。
1年後、また同じルートにチャレンジしましたが、近ヶ坂峠の先で再び進めなくなり、その時は潔く引き返しました。不本意ながら、近ヶ坂峠からのハイキングコースを歩いて下山しました。悔しいので、次は逆に大幡峠から歩いてみようと考えましたが、現在まで棚上げとなっています。
以上、真夏の低山歩きでの暑い暑い失敗談でした。それではまた。
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