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2017年07月15日 19:49未分類全体に公開

「登山不適格者」

岩崎元郎さんの有名な著書『登山不適格者』の中に書かれている「登山不適格者」とは、正に自分のことだったという話です。
山登りを始めて1ヶ月くらいのことです。最初の頃は、高尾山・景信山・陣馬山・高水三山・本仁田山・大岳山などに登っていました。初めて山の地図(奥多摩エリア)を購入し、自分で登る山とルートを決めるようになってから、山登りの楽しさが分かり始めました。しばらくは奥多摩に通っても良かったのですが、他のエリアの山にも登ってみたくなりました。
さて次はどの山に登ろうかと、本屋さんの登山書コーナーで1冊のガイドブックを手にしました。電車で行ける範囲で、そこそこ標高の高い山が良いなと思っていると、「滝子山」が目に留まりました。その日はまだ決めずに帰り、2〜3日後にもう一度そのガイドブックを見に行きました。
そこで滝子山に登ることに決め、紹介文を繰り返し読みました。今回は買うこともないだろうと、立ち読みで済ませました。また、大菩薩嶺エリアの地図も購入しませんでした。今思えば、とんでもない登山者がいたものです。地図はおろかガイドブックも持たないで、あの滝子山に登ろうというのですから。「登山不適格者」そのものでした。よく言われるように、登る前から遭難状態にありました。
当日、笹子駅で降りて、頭に入れてきた登山口までの道を歩き始めました。舗装された林道に入り、あとは道証地蔵を見つければ良いと思いながら、その林道をゆっくり進みました。
もう少しで道証地蔵(後で分かったことですが)というところで、左側に◯◯峠(峠名は覚えていません)と書いてある道標を見つけました。この峠は、確かガイドブックには記載されていなかったような・・・と、しばらく考え込みました。(現在は、この道標は取り外されています。)
道標があるのだから、この道で大丈夫だろうと、道証地蔵のことなどすっかり忘れて、そこから始まる踏み跡を辿ってしまったのです。「すいません、左側に登るんですか?滝子山は右側にあるんですけど・・・」
などと誰も教えてはくれません。
その時は、全く正反対の方向に進んでいるとも知らず、ジグザグの登山道を一生懸命登りました。それはあまりはっきりした踏み跡の道ではなく、いつも歩くような登山道ではないな〜と感じてはいました。そりゃそうですよね、地図に記載されていないマイナールートですから。幸い下りではなく登りだったので、道迷いにはならなかったのかもしれません。
途中で工事中の林道の近くを通り、再び樹林帯に入りました。もしかしたら間違ったかな?と思い始めましたが、前進あるのみと登り続けました。道標から山道に入ってどのくらい時間が経ったか覚えていませんが、山頂らしきところに登りつきました。そこで見たのは、「東峰」という山名表示でした。東峰・・・?と思いながらもう少し進むと、大鹿峠への道標があり、また少し進むと、今度は「お坊山」の山名表示がありました。
その時は、「はは、違う山登っちゃったよ。滝子山にはまた登ればいいや。」くらいに思っていました。山頂ではほとんど休憩せず、すぐに下山を開始しました。さきほど見た、大鹿峠への分岐まで戻り、大鹿峠へ向かいました。地図が無いので、自分が今どこにいるのか分かりませんでしたが、ガイドブックに大鹿峠と記載されていたのを覚えていたのでしょう。大正解でした。
お坊山の山頂から、そのまま笹子雁ヶ腹摺山への道に進まないで良かったと思います。一般ルートとはいえ、初心者にはちょっと厳しいですから。もしそちらに進んだら、危なかったかもしません。道標通り大鹿峠に下りて、ベンチに座って昼ごはんを食べながら、チョッピリ反省しました。やっぱり、地図なしで山に登っちゃダメだなと思いました。
大鹿峠から続く登山道をゆっくり下ると、やがて林道に出ました。林道を笹子駅に向かって歩いていると、左側にお地蔵さんを発見しました。そこから沢に向かって、はっきりとした踏み跡があります。「ああ、これが道証地蔵だ。」と思いました。もう少し進むと、右側に「◯◯峠」の道標がありました。50mくらい先でした。最初あとほんの少し我慢していれば、道証地蔵のルートに乗れていたことを知りました。
後日、大菩薩嶺エリアの地図とガイドブックを持って、改めて滝子山に登りました。もちろん、この時は道証地蔵から登山道に入りました。変化に富んだ沢沿いの素晴らしいコースを一生懸命歩いて、念願の滝子山の山頂に達しました。他にもけっこう登山者がいて、人気のある山なんだな〜と思いました。そこから見える美しい富士山を眺めながら、満足感にひたっていました。あとは普通に、初狩駅に向かうルートを、迷うことなく下山しました。
というわけで、今回は、マイナールートでお坊山に登り、大鹿峠から下りてきたということになります。表面的には。しかし、内容が全く伴っていません。最初の頃は、こんなデタラメをやっていたのかと思うと、本当に恥ずかしくなります。まさしく自分が「登山不適格者」そのものだったのです。
以上、山登り初心者のまことに恥ずかしい経験談でした。私の場合、山登りを始めた頃はけっこうバカをやりましたが、皆さんの場合は如何だったでしょうか?それではまた。
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コメント

RE: 「登山不適格者」
fgacktyさん、初めまして!

実は私も数年前、滝子山で迷った事があります。
地図読み等、山の経験が浅かった当時、初狩から道証地蔵に入ったあと、ルートがわからなくなり、撤退しました。

道迷いは、山を登るひとであれば、多くの人が経験していると思います。
間違えた経験を無駄にせず、地図読みやコンパスの使い方、スマホ等GPSの活用など、スキルを上げていけば良いのではないでしょうか?
2017/7/15 22:35
RE: 「登山不適格者」
nobu1973さん、初めまして。
実は今日、真名井北稜を川苔山に登る途中で、ほんの少しルートを外れてしまいました。でも落ち着いて周囲を良く観察し、正しいルートに戻ることができました。以前に比べると、ずいぶん大人になったなどと思ってしまいました。
今回の経験談は、道迷い以前の問題で、こういうバカなことをする人は他にはいないのでは、と思います。
最近は、山であまり失敗しなくなりました。これからは、油断や過信などに気をつけなければと思っています。
コメントありがとうございました。それではまた。
2017/7/15 22:55
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