会社で実力No.1のS部長が、何やら難題を抱えているらしく、私の仕事場に来て忙しそうに調べものをしていました。
S部長は私より10歳くらい年下ではありますが、会社では大先輩です。私は彼に敬意を表して、Sさんと呼んでいます。S部長も年上である私のことを〇〇さんと呼んでくれます。
この日、どうやら取引先との間に何か重大な問題が発生したらしく、自分の携帯電話で取引先の担当者に何度も謝っています。そして、実力No.2のK部長と内線電話で頻繁に連絡を取り合って話をしていました。
その内線電話の取り次ぎを、たまたま私がやっていました。S部長は、相当イライラした様子で、私に対して驚くほど横柄な態度をとりました。周りの同僚は、我関せずとばかりにダンマリを決め込んでいます。
トイレに立つ時、私はS部長に「何か大変なようですね。」と声をかけましたが、ほぼ無視されてしまい、私はガッカリしました。その時、「悪いけど、ちょっと手を貸してくれ。」とでも言ってくれたら、私は喜んで手を貸すつもりだったのですが・・・。
私は、S部長のただならぬ雰囲気を察知し、ひとこと言いたいところをぐっとこらえて、しばらくは静観していました。
その後、S部長が取引先と携帯電話で話している最中に、K部長から内線がありました。私は、取引先との電話を終えたS部長に、K部長から内線があったことを伝えると、彼は返事もせず、ムッとしたように部屋を出ていきました。
私に何か粗相があったのでしょうか?いや、そんなことはないと思います。私は、S部長のあまりにも子どもじみた態度の悪さに、もう我慢ができなくなりました。
しかし、ここで短気を起こしてS部長とまともにやり合っても、私に勝ち目はなく、私だけ損することは火を見るよりも明らかです。そこで私は、彼との衝突を避けるため、止むを得ず緊急避難的にその場を離れることに決めました。
私は、終業15分前にも関わらず、早退することを直属の上司に申し出て、逃げるが勝ちとばかりにスタコラサッサと会社を後にしました。
地元の焼き鳥屋のカウンターで焼酎を飲みながら、「あ〜あ、情けないことしたな〜。でも、あの状況じゃ仕方ないよ。あいつとはあまりにも力が違いすぎる。下手にやり合っても、損するのは自分だけだ。」と自分を慰めました。
今回の私の行動は、自分でも不本意ですし、決して褒められたものではないでしょう。しかし、今後のことを考えれば、立場の弱い私にとって最善の方法ではなかったかなと思います。
さて、嫌なことは忘れて、せっせと山歩きに専念しましょう。次回は、とっておきの低山歩きを予定しています。
それではまた😊