引き続き山が出てくる小説の読書記録です。
別に自分は山関連のノンフィクションものが好きなわけではないので、山が出てくるファンタジーホラーも読みます。
乙一さんの作品は結構好きなのでほかの本も読んでますが、この短編集「平面いぬ」の第一作「石ノ目」は山を舞台にした怖い話。
こういうの読むと、一人で山に行くのがちょっと怖くなります。
そのタイトルの通り、その眼を見たものを石に変えてしまうという魔物「石ノ目」をめぐるお話。
ある山奥の村で、疫病がはやり子供を亡くした夫婦が、子供の亡骸をなるべく眺めのいい山の上に埋葬しようとして山に登るところから始まります。
えっせほいせと棺を担ぎ山を登るのですが、霧が立ち込め、後ろからはなぜか亡くなったはずの子供の声が。
声につられて振り返るとそこには…!!
そんな言い伝えの残る地域で幼い頃を過ごした主人公。
彼の母は写真家なのですが、主人公が幼い頃、カメラを持って山に入ったまま行方不明に。
母を探しに主人公は山に向かうのですが…。
はじめのほうはホラーというジャンルの通り、怖い。
山では振り返りたくなくなっちゃう怖さ。
ただ、そのまま怖いよ〜…ってだけで終わらず、ほんのりいい話でまとまります。
ああよかった。
ちょっと感動もあり。
ちなみにそのほかの収録作品は「はじめ」「BLUE」「平面いぬ。」どれもちょっと怖いけど、ほんのり心が温まります。
読みやすいので、ぼんやり読みたいときにおすすめかと。
それにしても、山の怖い話って、怖いけどついつい見ちゃうのはなぜでしょうね。
怖いもの見たさってやつでしょうか。
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