面白くて3〜4日で読了。
新型ウィルス「チベットかぜ」が全世界に伝播してパニックに陥るという40年前に描かれたSF物。
ストーリーはテロリストによって持ち出された宇宙線や暑さにも強い非常に強力なウィルスという設定で全世界の哺乳類が滅ぶというもの。
はじめに鶏などの鳥類が全滅しワクチンが作れない状態になり、たかが風邪といわれてバカにしていた伝染病が全世界に伝播していく。
初めて感染してから4か月ほどで80%の人類が滅ぶという設定が無理があるが、人々が亡くなっていく状況は今のコロナウィルスに通じるものがある。
はじめは訳も分からず、イタリアで初めて見つかって「イタリアかぜ」徐々に範囲が広くなり「チベットかぜ」
人々が亡くなっていくのにソ連だとかアメリカが作ったなどと国家のせいにするのは今と同じ構図。
残った人類は南極だけになり残された1万人、政治家と異なり科学者が中心で人類を復活させようと立ち上がる。
コンピューターなどない時代でパンチカードで計算させるという時代背景も面白い。
それも南極人として協力し合あいどうにか初めて感染してから9年後に南極以外に人類が進出するというもの。
40年前に小松左京さんがストーリーを考えたとは思えないくらい正確な描写。
ちょっと怖いが今の中国とアメリカが責任のなすりあいをしているのとほぼ同じ。
ネタバレ書きたくないのでここまでにするが、終息したのは恐ろしい結末だ。
話題の作家ばかりでなく巨匠の本を読むのも面白い。
書店に置いてあれば読んでもらいたい。
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