個人的な備忘録として記録する。
1/21(ゲレンデ練習22日目):藪原スキー場にて、hskmaxさんと。DPSワイラー99、168cm。
降雨を避け、降雪予報の藪原スキー場へ向かうが、朝から雨。
野麦峠のトップ、2000mでも朝2時から雨とのこと。スキー場変更する余地なし。hskmaxさんと雨中練習を決行。お嫁様とご友人は別行動となり、温泉へ向かう。
表面の雪は降雨により、パッチ状に摩擦が異なる。次第にエッジが取られるような雪質へと変化。突然重くなるなど不安定。こぶ斜面が特に滑走し難い。雨天では雪面の凸凹に応じて摩擦の差が大きくなるようだ。山での雨天時は、フラットな面を滑走した方が転倒リスクが低そうだ。雨が止むと次第に摩擦が一定の雪質へと安定する。
今日はhskmaxさんと初めてのゲレンデ練習。hskmaxさんはスピードコントロールしながら細かなショートターンを繰り返している。自分が真似をすると細かな切り返しが難しいだけでなく、それを連続して繰り返すことは更に難しい。速度も速くなってしまう。
切り返し時に板が下を向く時間が長いために、その瞬間瞬間で速度が上がってしまうようだ。これは、板の面でブレーキをかけている時間が短いということでもある。つまり、切り返し方自体、更に言うと切りかえしまでのアプローチに問題があるようだ。色々と試行錯誤しているとhskmaxさんから以下助言あり(hskmaxさんの言葉を自分が理解し易い言葉に言い換えて記述)。
1. 滑走は足を揃える方が良い(密脚)といわれているが、これは膝や両脚を1本の脚のようにしてくっつけるということではない。左右の脚は、積極的に前後に開いた方が(板も前後にスライド)ターン時に安定する。このようにすると、脛を前傾させることができ、後傾姿勢が修正され、膝も前に出て板に荷重を乗せられる。その際は、上半身は進行方向の谷側を向いていること。谷側を向いていないと次のクイックなターンに繋げられない。
2. ターン時は、谷側の膝は山脚側に添えるように捻ると、より雪面を力強く押すことができる。
3. これを繰り返し練習していけば、次第に山側の板をそれほど前に出さなくても同じことができるようになる。
4. モーグルなどでは両膝を揃えてコブ滑降しているが、あれは採点基準として美しさの点数を得るため。膝を揃えることが安定した滑走の絶対条件ということではない。直線的な滑降などでは、両膝の間に体を入れ込んでいることからも、直線的な滑降では両脚を揃えた方が安定する。但し、ターンは難しくなる。
5. ターンの際、方向転換したい方のポールで地面を突くことは重要。それにより、精度高く安定した姿勢、クイックなターンが可能となる。上手な人は、これができる人である。
・※上記は、急斜面ではなく、通常のゲレンデの斜度程度の話。斜度35度を超えるような斜面では、板の前後幅や膝の前後運動を抑えて、両脚を1本の脚のようにした方が板に力がかかり、安定するだろう。横方向の遠心力や慣性が働かず、下方向の重量のみへの対応となるため・・・というのが現状の自分の理解。
助言受け、実際にやってみた感想。
1. 積極的な板の前後運動を加えると、各段に安定して両脚で雪面に大きな力を加えてターンへアプローチできる。その結果、素早い切り返しとなり、滑走自体の速度も自然に上げることができた。普通に考えれば、足を前後に開いた方が安定するのは当然のこと。盲点だった。イメージとして、テレマークスキーのような感じ?
2. しかし、板に力をかけることができる分、切り返しの直前に、今まで感じたことが無かった跳ね返されるような大きな力が作用する。これはモトクロスバイクやエンデューロバイクでも感じた感覚だ。この力の正体は遠心力や慣性だが、これにカウンターをかけるために両膝をしっかりまげて地面を抑え込む。抑え込みが完了した瞬間、遠心力・慣性と自分の抑え込みパワーが釣り合い、速度はゼロとなり、パワーのニュートラルな瞬間となる。ニュートラルポジションとでもいう瞬間だろう。このニュートラルポジションにタイミングを合わせて切り返さないと、次の瞬間にやってくる反作用の力で吹っ飛ばされる。それだけ大きな力が板にかけることができているという証拠でもある。この遠心力や慣性にどれだけ耐えられるかは、人それぞれのパワー次第だろうが、あまり大きな力をかけると危険なので、むしろ、遠心力、慣性を過剰にかけないようなコントロール技術を習得するのが重要だろう。具体的には、「極端な加速、減速を抑え、一定速度でターン、切り替えを行う」ことが次の課題となってくるだろう。きっとこの技術が肝であり、一番難しいのだろう。
3. 遠心力や慣性には、両膝をしっかり曲げてカウンターをかけるように抑え込む必要がある。抑え込みの終盤に、パワーが相殺される。これが切り返しのニュートラルな瞬間になる。遠心力や慣性から瞬間的に開放されるので、体全体が「ふわっ」と浮く感覚、つまる抜重の瞬間、ニュートラルポジションがくる。その抜重の瞬間に合わせて、反対側に切り返すと力みのない板のスムーズな切り返しが可能となる。この瞬間、板は雪面を押しておらず、空中で板を操作している感覚に近い。
〇今後に向けて
両脚を前後に広げ、谷脚の膝を捻る感覚の繰り返し練習による習熟と、「極端な加速、減速を抑え、一定速度でターン、切り替えを行う」に尽きるだろう。
また1つ課題に気づくことができ、楽しみが増えた!!
〇その他感想
hskmaxさんが言っていた。「スキーの教本など、その時々、時代で言っていることが違う。板の進歩もあるだろうが、何が正しいとか、こうしなくてはいけないということはない。人それぞれ体も体格も違う。教本などにとらわれずに、自由な発想で取り組んだ方が良い」。
まさにそうだと思った。スキーでは、密脚が大事といわれているが、その理由や理論の説明は少ない。スキー協会?のトップが変われば採点基準もガラッとかわるようだ。本来ならば理論・原理に即して論理的な説明がなされるべきだ。
また、自分自身、フライキャスティング(ダブルハンド、スペイキャスト)のインストラクターの資格を持っていた時、人に教えていていた時、同じようなことを言っていた。人の体は人それぞれだ。一見同じように見えるが、実際は同じ動作であっても、使っている筋肉やパワーバランスは人によって異なることが多々ある。もっと言うと、片手や片足が無い方もいる。そういった方に健常者の体の使い方を教えることにどれだけ意味があろうか?
よって、本来の教え方というのは、スキーならば、その原理を説明すること、板と地面にどのような力は作用が働き、それをどのようにコントロールするか、その手法・アプローチ方法を説明すべきである。細かな体の使い方や力の入れ方はその次だろう。そのためには、なぜそのような動作が必要なのか、そういった根本的なことを理解した上での説明と練習が必要だろう。
以上