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久しぶりの前掛分岐からの浅間はかなりの急登だった。
分岐からわずか登っただけで火口の稜線に出たと記憶していたのでこの記憶違いに愕然とする。
10年からの昔、毎年1回は浅間に足を運び、最後となった5回目の山行は、夏の喧騒も終わった8月の最終の月曜だったと思う。
当日、10才で小太りの雑種の雌犬チビと出かけ、2人の登山者に会っただけの静かな山でした。
暑い日で太陽が燦々と降り注ぐ中、、遮る物のないザレた急斜面をチビが先頭をきって歩き、風向きで硫黄ガスが吹き付ける中、浅間の山頂まで行きました。
ガスにイラつきながら足早に引き返し、浅間の急斜面を遅れがちなチビを気づかいながら日陰のある林の入口まで戻り、様子のおかしいチビの足裏を何気なく見ると、4本全ての足裏がマメが出来潰れていました。
暑さにもやられ、バテ切っていました。
かわいそうにこんなになるまで気づかない馬鹿な飼い主でごめんと思いながら水を与え介抱しました。
この様子では、歩いて山荘までは無理なので、嫌だろうけど我慢して、とザックの中身を出し背負って帰ることにし、ザックに入れたらよっぽど辛かったのか安心した様子で収まりました。
チビの体重は11キロと重く立ち上がる時一瞬よろけるほどでした。
チビを背負って歩き出すと収まりが悪いのか左に傾いていくので、
「チビ、こっちこっち」と右に寄るよう促すとササッと中心に戻る。
そんなことを繰り返しながら火山館の下まで来て、少し歩かせようとザックから出そうとすると嫌がるので、ついに登山口の浅間山荘に着くまで背負って下りました。
今でもそうですが、5泊位の小屋泊まりで出かけても10キロ越えるザックは背負わないのでかなり辛かったことを覚えています。
その後、常に私の足元にチビがいる、散歩や山歩きでリードが要らないほどの信頼関係ができ、翌年のお盆の早朝、リードを付けたまま停車中の車の窓から飛び降り、首を吊った状態で死ぬまで続きました。
チビの最後があまりにかわいそうだったので、浅間を見るとチビの最後を思い出し涙が湧いてくるのであれ以来1度も行く気がしなかった浅間の、チビと見た火口を覗きたいという欲が湧いてきたのは、去年あたりからサコさんという連れができ、かなりの山をともに歩き、毎日見上げる浅間にいつしか登りたいと思うようになったからでした。
晩秋の浅間を歩いてなにかふっきれたような、区切りがついたような気がしている。
切ない思い出ですね。
ウルッとしました。
ksrockさん
こんばんは
ウルッとさせちゃってすみません。
今でも“チビ”だけでウルッとします。
今はチビが死んだ日生まれたマーナが我が家の子になって頑張ってくれています。
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