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次に、段差に足をかけたあとにひとつ動作を加えてみます。写真1枚目のように膝を前に突き出してみました。この時の骨格と重心の位置に補助線を引いてみたものが2枚目の写真になります。膝が前に出た分だけ重心がカカトに近づきました。理論その1の写真1枚目では重心からカカトまでの距離が太腿の長さ分あったのに対して、こちらは緑の矢印の長さだけになっています。
そこからグイッと上がった姿勢が写真の3枚目。この際、太腿の筋肉はその1と同じように動きます。動画ではこの動作を3回繰り返していますが、その1の動作よりも楽に感じます。太腿に感じた疲れもここでは感じません。重心がカカトに寄った分だけ、体を持ち上げるのに必要な力が減ったといえるでしょう。
その1の中で、膝が勝手に前に出た話をしました。これは太腿の筋肉への負担を抑えるため、体が無意識に動作したと考えられます。
無意識的で小さな動作でもそれなりに省力して上がることができる。それを意識的により大きく行おう、膝を前に出しできるだけ重心をカカトに近づけようというのがその2でのお話の骨子となります。
この動作を例えるなら、水を張ったお鍋を持つときに例えられるでしょうか。腕をいっぱいに伸ばして持つとお鍋は重く感じますよね。でも腕を縮めて、体に近い場所で持つと重いとは感じなくなる。原理はそれと同じで、重さは体に近いほど軽く感じ、遠くなるほど重く感じる。ただしどちらの場合でも、お鍋と水の重さは必ず足の裏にかかってくる。
このことは古くから言われていることと同じことかと思います。前足でしっかり地面を踏みしめて登れ、と教えられたと聞きますが、重心が前足にしっかり乗っていればいるほど「踏みしめる」という体感になることでしょう。
反面で膝に負担を感じます。これはきっと、膝がテコの原理でいう支点になってしまって、負担が集中してしまうからなのでしょう。これをどうするか、というのが次のお話になります。
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