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日本百名山一筆書きの田中ヨーキさんが「日記」に、旅の途中で会ったおじさんの話しを以下のように記されています。
「スゴいことをしていて、たくさんの人の注目を集めているから1つ言わせてほしい!」
「はい!何ですか。」
「俺が見たのは一度だけだからそのときだけだったかも知れないけど、テレビで見たとき、あんたが登山道脇を歩いているときがあって、それがスゴく気になって、仲間内で見ていてもあれはおかしいと言っていて、もし会えたら絶対に言いたいと思ってたから、本当にあえて良かった。それで、色んな人が注目しているあんただから余計に強調して守ってもらいたくて、どんなに登山道が荒れててもぬかるんでいても登山道のど真ん中を歩いてほしい。人が歩き悪くなった登山道を避けるためにたくさんの人が脇に脇にと登山道をはずれ登山道をどんどん広げて歩く、そうすると登山道は広がり、荒れ放題となってしまう。たった数年で…だから、どうかあなたにはまっすぐ歩き続くてほしい!」
端っこを歩くと登山道が広がると云う考えは判ります。が、果たしてどれだけ広がって、広がったことが自然に対してどういう影響を及ぼすのか? 単なる思い入れではなく、ちゃんとした数字でevidenceを示していないのでややこしくなっています。お花畑に入り込み踏んづけるようなヒトはもってのほかですが、それぞれの登山家やガイドが自分の、ほとんど宗教的とも云える個人的考えを押し付けることは止めなくてはいけません。何も泥濘問題に限ったことでは無く、登山技術以外の登山作法については、山登りを楽しんでいるそれぞれのヒトが、自分なりの自然に対する考えでもって接しています。山登り初心者についてはunivarsalな基本的な考えを教えなければならないでしょう。それでもなお自然を大切にしようと考えないヒトは論外です。
登山を売り物とする月刊誌が多々あり、山登りの大家と云われるヒト達が色々書いておられますが、医学ではauthortiyの意見というものはevidence levelは最も低いものであり、統計学的な実証があって始めて受け入れられる事が出来ます。登山マナーだけでなく、登山技術についても科学的根拠に基づいたlevelの高い、日本のunivarsalな見解を表して頂き、登山家、ガイド、それにわれわれのような登山愛好家に示して頂ければ、それに従うのはやぶさかではありません。そんな日が一日でも早く来ることを願って止みません。それまではヨーキさんも遠慮する必要はありませんよ。頑張れヨーキ。
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