7月中旬頃からアルファ株からデルタ株への置き換わりが始まり、現在急激な勢いで新型コロナウイルス感染拡大が続いています。おそらくほぼ９０％以上ががデルタ株といってよいでしょう。デルタ株は従来株よりも一人の感染者が多くの人に感染しやすく、進行も早く重症化しやすいとてもやっかいな特徴を有しています。2回のワクチン接種が進めば集団免疫を獲得できると前回の日記で書きましたが、一部の研究者からは難しいという報告も出てきました。現在国内ではワクチン供給が十分でなく希望しても接種できない方、接種を希望しない方、体質により接種できない方もありワクチン接種率がこの先どこまで伸びるのか不透明です。さらにワクチンの効果は約6か月以降で減少に転じる可能性があるため、3回目の接種を準備する国まで出てきました。
私の勤める施設でも2回ワクチン接種を終えた7名の患者さんが、接種1週間から1か月後に新型コロナに感染しました。いずれも病状はとても軽く感染が判明した際には大変驚かれていました。3名はワクチン接種している安心感や軽症であることから単なる「夏風邪」だと思っていたようで、その「誤解」が感染を広げる一つの要因と成り得ると思います。
登山においてもこの「誤解」が影響するかもしれません。例えばワクチン接種を終えた方が新型コロナに感染したとします。当日多少の体調不良であっても無理して登山に出掛けてしまうと、山中で急激な体調悪化につながったり、仲間に感染させてしまうこともあり得ます。
ご存じの通りワクチン接種は2回終えても完全に感染を防ぐことはできません。接種を終えた安心感からマスクを外したり大声で話したりすれば感染リスクはあります（例えば仲間と車で乗り合わせて登山口へ向かう場合や山頂で密集して食事を取るなど）。接種後に風邪症状が現れた際は副反応なのか新型コロナ感染なのか悩むケースもあると思います。登山当日に少しでも体調不良を感じたら、登山を中止しその上で医療機関に相談または受診をお勧めします。もちろん下山後に体調不良を自覚した際も同様です。最近は保健所業務が逼迫しており濃厚接触を追えませんから、そこで陽性と診断されたら一緒に登った仲間にも速やかに連絡すべきでしょう。これからも接種を終えたとしても十分に注意して登山やハイキングなどに臨む必要があるでしょう。（当たり前ですが）
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新型コロナワクチン接種後の登山��
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