先日『宝物のピッケル』と題して「日記」に門田のピッケルをお披露目したが、”真の宝もの“は見事な具合に何もない。と、本棚を眺めていると、「あっ!あった!ここにも宝ものが!」深田久弥 1964年出版(昭和39年)『日本百名山』の初版本である。
『日本百名山』はいまや百名山のバイブル本(宝モノなるもの価値観は人其々ですからね)
私の百名山初版本はいたるところに書き込みと汗と涙、駄菓子のカスがこびり付き古本としての価値は限りなく「0円」だ。
深田久弥は『百名山』を撰ぶに当たり「山の品格・個性・歴史」の三点重視し撰びぬいたと語っている。
現在出版されている『百名山』の「鳥海山」「剣」など、15の山の標高は、百名山初版本とは山の高さが初版本に記された標高とは違っている。お山も年と共に背丈が伸びたようだね。
出版されて54年。測量技術の進歩、歳月は山の高さをも押し上げたようだ。
本の表紙版画は大谷一良 口絵写真は田淵行男 地図作成に山口耀久
豪華絢爛な先人の方々が名を連ねている。ちなみに初版本の価格は870円也。先年、信州松本の古本屋で同じ初版本を見かけたが、著者の署名入りが2万5千円の値札が付いていた。
NHKで『日本百名山』を取り上げてから、中高年世代を中心に登らにゃ損々とばかり「ヒトも煽りゃあ山に登る」がその年の迷言となって(笑)で、“日本列島百名山踏破阿鼻狂乱乱痴気狂騒”はご存じのとおり。
おかげで山は”百名山詣で”の年配の登山者で大賑い。まさに大昔の山岳巡礼の賑わい。
勿論ブームを批判する気はさらさらなく、皆が自然に触れ山に親しむことは健康も絡み一石二鳥、結構なことである。おおっと そうそう、長生きされて困るのは日本年金機構と厚生省(笑)
おかげで閑古鳥が鳴いていた登山ショップは嬉しい悲鳴に様変わり、いまやわが世の春を謳歌しているとお聞きする(百名山ブームは日本経済活性化のために多大な貢献をしているんでありますね)
ところで、傍で傍観していると「百名山」のピークを極める”数を競う行為”に夢中で、山を楽しむ過程の楽しみが感じられない方も多々お見受けする。
あ〜あっ、もっとノンビリ花を愛で、風の音を聴き、雲の流れに身を任せ・・・そんなにあくせく登らなくてもいいのにと思ってしまう(まあ人それぞれの思惑でしょうから)
私も仲間内で山登りを楽しみ、ドタバタ的山行を楽しんでいたが、百名山ブームが起きてから仲間の会を『裏山温泉探索隊』と名称を変えた。(仮称偽名です)
「裏山・・・」”裏”の意味するところは百名山以外の“人の来ない静かな山”を歩きましょうの意味合いが込められている(変人偏屈の塊集団です)
おかげさまでブームの陰に隠れ、こちとら人の来ない“静かな日本の美しい山河”を彷徨えるというもの。
我が『裏山温泉探索隊』昨今は“軟弱隊”と、様変わり。チョットハードできつければ「やめまっしょ!」と麓の温泉にドボンッと埋没、胃の腑のお伴、ビール三昧で大騒ぎ。今頃になって遅い青春を謳歌している。
さあっ、夏山だ。昔から日本の酷暑の夏山は意識し避けてきた。
そろそろ行動開始の準備に入っている。7月に入れば蝦夷地長期車中泊野宿旅に分け入ります。
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