よそ様宅でのおせち料理の食べ方は難しい 】
年が明け早一週間。胃袋もようやくおせち料理から解放された。今日は七草。
おせち料理を食べつつ、いつも脳裏をよぎるのは若気の至りしころのおせち料理パクパク食いの恥ずかし失態を思い出す(まあ世間ズレしていない無知な青春の”若々しい思い出”は皆さんも一つや二つは持っているはず)
学校出たての厚顔の美青年(ワタシのこと)が先輩に引率され上司宅に年賀伺い。
奥様が四段重ねのおせち重箱をテーブルに「ドウダ!」とばかりに並べ満開お披露目。
おせち料理は日本料理の神髄で盛り付けの極限状態を表し、整然美の極致構築である。
上司が「ささ 遠慮しないで食べて食べて!」とご機嫌麗しくお勧め。
「新年おめでとう!」の定番乾杯音頭のあとは当然テーブルに燦然と輝くおせち料理に箸が行く。
突然ワタシ毎の家庭激白に話が逸れる。私は姉が3名の女系家庭。そこに降ってわいたようにオヤジにしてみれば嬉恥ずかし初のオトコ誕生。当然世の倣い、甘やかされ放題のドラ息子の出来上がりと相成る。食卓もワタシ第一主義の独り占め。
さておせち料理に話が戻る。
青年になった我が儘育ちのドラ息子は、初めての上司宅のおせち料理でもいかんなく”育ち”を発揮。上司の「遠慮しないで食べて食べて!」のお勧め言葉を鵜呑みにし、ではとばかり、先ずは重箱の中央に燦然と威容を放つ大ぶりの伊勢海老を嬉しそうに賞味。
重箱の中央は突然大きなスキマが発生しただならぬ空間が、重箱の景観が大きく損なわれたような。
伊勢海老を美味しく食べつつ上司の尊顔を眺めると、心なしかお顔が青ざめ引きつっているような気がしないでもない。お隣の先輩を見れば黒豆をつまみ、もう一人の先輩はカマボコを・・・。
ワタシは貝皿に盛られた焼きウニを嬉しそうにパクリ。カズノコをパクリ。
先輩二人はなぜか口数も少なくなり苦虫を噛み締めたような不機嫌顔。奥様がお酒のお代わりを持ってきて重箱の空間に一瞬固まったような気配。
我が儘放題に育てられたドラ息子の生き様がこんなところに人間の器量、所作、育ちが垣間でる。
世間知らずの社会人一年生は、その後社会の荒波に呑まれ徐々に成長し”社会の常識”を徐々に知って・・・。それにしてもよそ様でのおせち料理の食べ方は難しい。
私たちが帰った後、上司と奥様は重箱の大きな空間を眺め溜息をつき「何てことしてくれたんだ」と、悲しさにナミダ滂沱と推察。
上司も、お正月が来るたびに苦々しく私のことを思い出しているのではないだろうか。
月日が流れ、気が付けば我が身は出世街道から外れ椅子は窓際に。ほどなく関西から関東への地に左遷島流しの憂き目に。左遷原因は仕事もしないで山ばかり登っていたからと思っていましたが、今にして思えば上司先輩諸氏から「こいつは伊勢海老や焼きウニを食った怪しからん奴。配慮が出来ないチームワークを乱す輩」と評価されたのだろう。おせち料理食いの逆恨みで島流しに?まことにおせち料理の食べ方は難しい。
食い物の恨みたるや恐るべし。皆さんも私の轍を踏まないように、よそ様宅ではおせち料理は配慮し謙虚に頂きましょうね。
分かります。「遠慮なく食べて」と言われると、鵜呑みにしてメインの「伊勢エビ」に手を出すのは。好きな物を食べてって言ったじゃないんですか。それなら、エビはサンプル品にしておいて欲しいですよ。絶対に食えないで。私も家族とか気のあう仲間だったらいいですが、大皿の食べ物は気を使うので、嫌ですね。一人分がいいですよ。個々にして欲しいな。しかし、若い時だから仕方ないですよ−。いい、社会勉強になったんと思いますよ。それから、上司の「無礼講だから」も気をつけないと、後々ひどい目に会いますよ。それでは、また。失礼しました。
komariku さん今晩は。早いもので七草ですね。
「無礼講」私も思い当たることが。上司が飲み会で「今日は無礼講でいこう」
そんなこんなで座は「無礼講飲み会」となり楽しい宴。
翌日「無礼講」を述べた本人(上司)が先輩を呼びつけ「昨日のあれはなんだこうだと・・・」こんなケツのアナの小さい上司もいるからサラリーマンは大変な稼業。
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