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久しぶりに悪友三人で鬼の目(恐妻)を盗んで、たるんだ身体に渇を入れるべき白銀の「安達太良山」へ。雪山と戯れようとの思惑だ。
「安達太良山」で直ぐに脳裏をよぎるは「安達太良山」を不朽の名山にした張本人、高村光太郎の「智恵子抄」の一説「あれが阿多多羅山 あの光るのが阿武隈川・・・」
安達太良山は年末の大寒波到来で嬉しい白銀の世界。今宵のねぐらは雪中行軍を満喫し、ノンビリ「勢至平」を経てくろがね小屋へ。
鳥川の渓流沿いの渓谷は深くキレ落ち足をとられる。渓流の水音が轟く。
ときおり沢筋から風がヒュルヒュルと耳もとを悪戯し通り過ぎる。
登るに従い落葉樹に混じり、徐々に葉の落ちたカラマツの幹が燃えるように赤茶している。
夏、クマザサの茂っている山床は雪に埋もれ冬眠中。朝、曇っていた空にはちぎれ雲も浮かび始めた。
昼近くになり雪原は朝日が反射し微妙なる陰影をつくり、薄墨を染み込ませたような濃淡。雪原の上で枯れススキの穂の群れが揺れている。
ダケカンバの枝先には風で飛ばされてきた雪が小粒の氷玉となって付着、幹は朝日があたる部分が光る。目線の上に目を転じれば稜線のシルエットがくっきりと浮き出ている。昼前好天なりかけたと思ったら雲行きが妖しくなり薄くガスもかかってきた。
山の天気も我が恐妻と同じで移り気だ。まさにオンナごころと・・・。おおっと口が滑った。
明けて2日目。前夜くろがね小屋の温泉で身体をリフレッシュしたことで気分も絶好調。なにやら一人ばかり安酒の飲み過ぎで足取りが重いようだ。
そんな酔いどれ船はほっといて、小生、好天に恵まれ鼻歌もでる。
安達太良山は麓から望めばなだらかな山容なれど、稜線から馬ノ背から見下ろす沼の平は荒々しい凄惨な噴火の景観を残している。
「沼ノ平」の荒涼たる風景は明治30年の大爆発の火口原だ。
山頂からの眺めは磐梯や吾妻連峰、尾瀬の山々、阿武隈の山並みが手にとるようだ。
テルモスから注ぐ熱く甘い紅茶が沁み渡り、胃の腑がタラコラ踊りだした。チョコ粒を口に入れ、さてとユックリ大観望を眺めるとしよう。
雪の安達太良山を制覇し帰路は当然「岳温泉」の湯に埋没だ。
湯舟に浸かり「あぁ〜ん」と気持ち好い吐息を洩らしていた日にゃぁ、見知らぬ人々とも次第に打ち解けてくるというもの、これもまた旅の極意、喜び?である。(なんてね)
湯から出るとお腹が緩みお腹がぐ〜と鳴った。目指すは「二本松市」の焼肉店へ。
小生、タンが大好きなんでありますね。メニュウーのタンにも上タンと並タンがある。それを聞き及び「なんだと”冗タン”言うな!」とほざいたら、店員が付き合いきれんと去って行った。”冗タン”を笑い飛ばせないお固い人間は嫌いだな。
さてその”冗タン”でなかった、タンであるが、一口食べて歓喜 法悦 至福 言わずもがなでありました。
【写真は…】
・あだたら高原スキー場からの安達太良山
・くろがね温泉山小屋
・稜線・馬ノ背から安達太良山山頂を望む
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