宿泊したミスタヤロッジはロッキー山脈の標高2000m程の所にあり、ヘリコプターで行く以外道がない別天地である。10人程のロッジの宿泊客の中に毎年このロッジに来ているという82才のカナダ人アーモンドとその娘のヘレンがいた。2日目に彼等2人はミスタヤ山近くの無名のピークを目指すというので同行することにした。
さて、歩き始めて1時間程はトレイルがあるが、その後は道もケルンもなく、草木も生えていない石ころだらけの荒野を好きなように歩くトレッキングである。アーモンドは以前も来ているので迷うことなく足早に歩き、当時62才だった私はすぐに100m程遅れてしまい、休憩のたびに追いつく有様だった。その時歩きながら「私もアーモンドの歳までは絶対に山に登るぞ」と誓った。出発から3時間程でロッキー山脈分水嶺にある2865mの目的のピークに到着した。ピークのこちら側に降った雨は太平洋に、ピークから向こうに降った雨は大西洋に流れて行く分水嶺の絶景ピークである。そのピークで記念撮影をし昼食をとった。
その晩ロッジでワインを飲みながらアーモンドが「今日の記念にあの無名ピークを ANDOU(私の名前)PEAK と名付けよう。私は来年もANDO PEAKに登りに来るつもりだ」と言って3人で乾杯した。カナディアンロッキーには今でも、世界で3人だけしか知らないが ANDO PEAKという小さなピークがある。
私も今年は82才、あの時のアーモンドの歳まで山に登る夢はかなったが、ANDO PEAKに再び登る夢はまだかなっていない。
以下のH.Pにこの時の写真が多数あります。
https://trekking10.shop/kanada/kanada2/record2.html
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