今回は神室山(栗駒国定公園)と秋田駒ヶ岳(十和田八幡平国立公園)についてお話をいたします。ぜひ、秋田県民の方には読んでいただきたいと思います。
いろんな方々がこのレコで秋田県エリアの登山道はなぜか荒れたところが多いと言われていることがきっかけで調べてみたところ以下のことがわかりました。
和賀岳のような自然保全地域と神室山や秋田駒ケ岳や乳頭山のように国定公園と国立公園に属する山々とは違い、後者は自然公園に分類され自然風景地の保護とともに自然との触れ合いをはかることを目的として指定された地域で、歩道やビジターセンターなどが計画的に整備され快適で適正な利用が推進されるということです(環境省のホームページにより。ここが重要です)。
また、法律に自然公園法というものがありその第5節 公園管理団体の中の第37条に
業務を適正にかつ確実に行うことができると認められるものをその申請により公園管理団体と指定できるとあります(ここも重要です)。この業務とは第38条にある6つのことで以下の3つが含まれております。
1.風景地保護協定に基ずく自然風景地の管理その他の自然の風景地の保護に資する活動を行う
2.国立公園又は国定公園の施設の補修その他維持管理を行う
3.国立公園又は国定公園の保護とその適正な利用の推進に関する情報または資料を収集し提供する
ここから個人的な見解ですが、要するに、管理団体と認められた組織、団体は金がない、人がいない、時間がないなどの言い訳は通用しないのです。なぜなら、法律で国立公園は環境省が、国定公園は各都道府県が能力があると認められているからで、できないのであれば申請してはならず、辞退するべきで環境省、各都道府県は新たに業務を確実に行える団体を指定しなければなりません。これらのことから、神室山の登山道整備不良(山形側は整備されておりました)は完全に秋田県の責任、秋田駒ヶ岳、乳頭山は国の責任によるところが大きく、仮に、これらの地域で登山者に何か起きた場合は登山者の自己責任よりも都道府県や国が責任を問われるべきと考えます。少なくとも、上記第38条の3に関して、具体的に整備されていないところと整備予定を最低限国立公園や国定公園、地元の観光課のホームページなどを通じて伝えるべきであると思います。ちなみに、今年磐梯朝日国立公園に属する200名山の以東岳の登山道にある吊橋が壊れていたのですが修復時期は鶴岡市の観光課のホームページにありました。1ヶ月ほど遅れましたがここを任されている団体はこの法律にのっとってしっかり責任を果たしていると言えます。
最後に、両残の現状に関してお伝えいたします。
(1)神室山
今年の9月中旬に秋田側の登山道でパノラマコースの薮化したところと藪化が進行しているところを担当の地元山岳会に電話したところ担当者の方が登山口の記帳にもかなり多くのクレームが書かれており来年整備するための予算申請を行ったこと言われできるだけ早く行いたいとのことでしたがその後、このヤマレコでの報告を見るとすぐに刈り払をされたようです。
(2)秋田駒ヶ岳、乳頭山
ここは一度全体の補修計画を立てるべきと考えます。自分が知る限りでは秋田駒ケ岳の横岳から湯森山への登山道の薮化がひどく、笹森山から8合目までの登山道が階段部分の木の骨格だけが残り土が流されて無くなっていたり道が深くえぐれていたりするところがあり、乳頭山への縦走路や、乳頭山から田代平避難小屋への登山道も同様になっております。また、休暇村近くの駐車場から笹森山への登山道と田代平避難小屋から蟹場温泉分岐を通り大釜温泉へ抜けるルートは藪化しやすく他の山でもやられているように1年に一回、山開きと称して刈り払いが必要と考えます。
ここも神室山の整備状況を確認した時期に仙北市に問い合わせたところ、ひどく薮化している田代平避難小屋から蟹場温泉分岐を経て大釜温泉へ抜ける道が刈り払されておりました。秋田県が国からこの地域を借りて(国立公園なので)地元の宿泊施設を営んでいる方々からなる団体に管理を任せているようで一般の方はこの団体に入れません。
この2件のことから整備していただいたことは大変ありがたいのですがあまりにも動きが早く、うがった見方をすれば整備を怠っていることが知れ渡らないように対処したと思われても仕方ないと思います。今後は自分たちの責任をしっかり認識して果たしていただきたいと思います。
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