山には文庫を1〜2冊必ず持って行く。
移動中の電車やバスで読んだり、テントの中で読んだり。
今回のGWの山行で読んでいた熊谷達也の2小説はとても面白かった。
やはりこの手の小説は登山中に読むに限る。
極寒の樺太を舞台にした冒険譚の「氷結の森」は雪山の寒さの中で読むと話に入りやすいし、
逆に、短編集の「山背郷」には雪崩に会ったマタギが必死に生還しようとする話があるが、
「もし自分が同じ状況になったら?」と現実の山行に繋がってくる部分があった。
そこで、過去の装備リストに記録が残っている限りで、
1泊以上の山行で何を読んでいたかを振り返ってみる。
H24.5 燕〜常念 :熊谷達也「氷結の森」「山背郷」
H23.12 甲武信ヶ岳:カート・ヴォガネット「スラップスティック」
H23.11 日光縦走 :東野圭吾「手紙」、「新訳・アーサー王伝説」
H23.10 御嶽山 :京極夏彦「狂骨の夢」
H23.9 富士山 :桐野夏生「東京島」
H23.9 立山・剱 :東野圭吾「白銀ジャック」「告白」
H23.8 奥穂高 :京極夏彦「姑獲鳥の夏」
H23.7 白馬〜五竜:小松左京「日本沈没」
H23.5 八ヶ岳 :熊谷達也「邂逅の森」
H22.11 丹沢全縦 :植村直己「青春を山に賭けて」、新田次郎「チンネの裁き・消えたシュプール」
H22.11 両神山 :羽根田 治「山の遭難」、加藤文太郎「単独行」
H22.9 槍ヶ岳 :新田次郎「槍ヶ岳開山」「縦走路」
H22.8 北岳〜農鳥:夢枕漠「神々の山嶺(下)」
H22.7 立山 :森見登美彦「四畳半神話大系」
H22.6 富士山 :夢枕漠「神々の山嶺(上)」
H22.5 木曽駒ケ岳:新田次郎「栄光の岩壁」
H22.4 八ヶ岳 :佐藤優「自壊する帝国」
H22.2 雲取山 :沢木耕太郎「凍」
H21.5 瑞垣・金峰:ボブ・ラングレー「北壁の死闘」
H21.3 雲取山 :新田次郎「八甲田山〜死の彷徨」
H21.2 丹沢縦走 :村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」
書き出してみて初めて気付いたのが、本の選択に明らかな傾向があること。
登山を始めて最初の頃は山関係の小説を選んで持っていっているが、
去年の夏からパタリとそれを止めていた。
なぜだろうか。理由が思い出せない、思いつかない。
だけど今回思ったのは、やっぱり山では山関係の小説がいい。
それにしても槍ヶ岳で「槍ヶ岳開山」はベタだなあ。
※「日本沈没」は実は隠れ山小説。
沈み行く日本列島で最期に故国の山を満喫しようとして、後立山を縦走する若者達が登場。
自分はまさしく白馬〜五竜を縦走中だったので、ちょっとした偶然だった。
そして、小説では彼らの行為が愚行として描かれるが、登山中の自分にはその気持ちがちょっと分かったり。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する