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旧東海道における「宿泊」についてですが、その環境は大きく分けて、浜松以東と、浜松以西では大きく異なると言えると思います。（あくまで経験からの主観で書きます）
浜松〜江戸（東京）の間の宿場町は、ほぼほぼ宿泊に困るようなところはないように思います。距離や交通の便から考えると要注意なのは「日坂宿」（静岡）くらいではないでしょうか？ 「蒲原宿」「由比宿」「金谷宿」も宿泊施設は少ないですが隣町までの距離や、最悪、駕籠や馬（バス・鉄道）を使えばどうにかなると思います。実際、浜松以東の街道沿いには使い勝手の良いビジネスホテルが多かった。横浜などはもともと私にとっては地理的に疎い場所で、宿泊施設はいっぱいあったものの横浜の街と旧街道がどういう位置関係にあるかが頭に描けず、歩きながらチェックイン直前まで宿泊地を絞り込むのに苦労しましたが・・・
それに対して、京都〜浜松までの宿場町では、街道沿いに宿泊施設がないところもあり、宿泊場所を探すので苦労したり、陽も高くまだもう少し歩ける状態にもかかわらず早めにその日の行程を打ち切ったりしたところもあります。特に気をつけないといけないのは「水口宿（滋賀県）と関宿（三重県）」の間ではないでしょうか。水口宿と関宿の間には鈴鹿峠があります。（東行き）鈴鹿峠の手前の土山宿には民宿が１軒あるようですが、それ以外の宿泊施設は旧街道から最低で４キロ近く離れている。鈴鹿峠越え直後の坂下宿には宿はないようで、関宿にゲストハウスが１軒あるが、ホテルは（東行きの場合）２キロ〜７キロ先に行かなければない。また、桑名宿〜宮宿を「三里の渡し」「佐屋街道」をトレースして行く場合は４０キロ以上の距離の間、長島にロッジがあるくらいだ（１泊２万円以上の宿やラブホはある）。あと、岡崎宿と吉田宿（豊橋）の間も宿泊地点に留意が必要だろう。疲れがピークに達していてもさらに１０キロくらいは容易に歩くことができるという人は別問題として、どこで１日を区切るかというのは街道歩きでは重要になってくる。たとえば箱根越えは三島〜小田原（箱根八里）だと１日で越すこともそれほど難しくはないが、東行きで沼津宿発とか原宿発だと中途半端な距離になるだろう。また、西行きで大磯発だとこれも中途半端な距離になるだろう。鈴鹿越えと箱根越えくらいは前々日くらいから移動距離（宿泊地）を調整して臨んだ方が賢明かもしれない。
人によっては街道歩きを始める前に具体的に日程を組む人もいるかもしれないが、実際、未知の道で、長期戦なので、具体的な日程計画がどれくらい有効になってくるかは個人的には疑問に感じます。宿泊施設は以前に比べ、キャンセルポリシーを明白にうたっているところも多く、予約を入れて直前のキャンセルというのは双方にダメージがあるようにも思います。また、旧街道沿いの個人経営の旅館・民宿などは、街道歩きの突然の宿泊者が日常で柔軟に対応してくれるところもあるようですが、ブログなどを見ていると逆に突然の宿泊者には良い顔をしないところもあるようなので注意が必要かもしれません。
昔の旅人は現地で宿を探していたのでしょうが、今はその宿場町には宿場はほとんどありません。また、自分が旅人になると先に進める時には予定よりももう少し先に進みたくなるものです。（その逆もあります）。
宿泊地点は、結果論で考え出すと、あそこまで行けたのに、とか、もうちょっと早く起きていれば・・・とか思ってしまいがちですが、結果的には、そこに宿泊することによって、見ることができた、見つけることができた、行くとができた場所もあるので、それはそれで良しとしています。済んでしまった全行程を見直すと、あと１日〜２日短縮できたかと思うこともありますが、あの行程であったからこそ見ることができた景色や、人ととの出会いもあったことに感謝しています。
最後に具体的な数値
１日の平均歩行距離は３６.３キロ。（ＧＰＳ値）
３５キロ未満の日が９日、３５キロ以上の日が１０日。
１日最短が２６.４キロで四日市宿から佐屋街道手前の三里の渡しの長島まで。１日最長が４８.８キロで水口宿から亀山宿まで（ただし、古城山に寄り道している）。
平均宿泊費用は１泊当たり６１０５円（中央値５６００円）。１９日で計１１万６千円（最終日の東京泊を含む）。
いちばん安かったのが４３００円（エコノ亀岡・亀岡宿）
いちばん高かったのが１２１５０円（天成園小田原駅別館・小田原宿）
歩くことよりも、宿泊場所を探すことでエネルギー（気力）を消費した日が多かったですが、踏破し終わったら、それはそれで良い思い出です。
コロナ禍でビジネス出張が減り、インバウンドも消滅状態で、ホテルが供給過剰状態の今は逆に旅をするには良いコンディションなのかもしれません。
東海道五十三次 一気通貫（京都三条大橋から）
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3757337.html
前哨戦（神戸→京都）
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3753202.html
東海道五十三次 もし歩くなら? 【日数】
https://www.yamareco.com/modules/diary/381513-detail-267757
東海道五十三次 もし歩くなら? 【志向性】
https://www.yamareco.com/modules/diary/381513-detail-269063
東海道五十三次 もし歩くなら? 【距離】
https://www.yamareco.com/modules/diary/381513-detail-269796
●自分の記憶を整理するためにも、質問等をお寄せいただければ、うれしく存じます。コメント欄からでもメッセージからでもかまいません。お待ちしております。
大変有意なご教示ありがとうございます。
自分の旧東海道街道歩きに一気通貫は全く想定に無い(汗)ので電車で行きつ戻りつで帰宅するか宿泊場所にたどり着けそうですが、亀山から京都寄りは本当に土地勘が無くておまけに沿って走る鉄道も無いよなーと漠然と感じていました。そういった意味で鈴鹿越えが箱根越え以上に難しく感じます。
あれこれ事前の下調べは嫌いではないのでこれも旅の楽しみです。
コメントありがとうございます。
鈴鹿峠は
でもわかるように、完全な「片峠」です。東行きは上りを感じさせないくらいのダラダラ坂ですが、峠を越えると一気に山道を下ります。西行きは山道を登った後、滋賀県に入ったら車道歩きのような形になります。関宿はゆっくり味わいたいところですね。
私も「行き当たりばったり」派なので、あまり情報を持たずに（先入観持たずに）、現地でいろいろ味わうのも悪くはないと思います。
袋井のホタルが気になる季節です。北の丸に泊まってホタル観賞・・・なんて考えてもみましたが、メチャクチャ高くて泊まれませ〜〜ん！（笑）
コメ返ありがとうございます。
鈴鹿峠の断面図をみて第一印象、碓氷峠とおなじやん！でした。片峠であることはじめて知りました。ありがとうございます。
袋井のホタルは間もなくですよ〜。是非お出で下さい。
袋井市役所公式web
https://www.city.fukuroi.shizuoka.jp/soshiki/14/1/shizen/1464324369526.html#:~:text=%E8%A2%8B%E4%BA%95%E5%B8%82%E5%86%85%E3%81%AE%E5%AE%87%E5%88%88%E5%9C%B0,%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
言い忘れていましたが、鈴鹿峠、片峠で４０キロの道のりではすごい標高差のカーブが描かれていますが、鈴鹿峠は３７８ｍしかなく、関宿との標高差は３００ｍありません。ご安心ください。
確かに、宿探しは難儀しますよね。
私の場合、基本的に宿泊先はビジネスホテルとなりますが、タイミングが悪いと学会やコンサート等のイベント開催予定日と被ってしまい、半年前でも宿が取れないというケースや宿代が特別価格で激高というケースがありましたし。
分割チャレンジの場合は予定していた日(週)をずらすという方法で対処できましたが、通しチャレンジだとそうもいきませんし。
コメントありがとうございます。
コロナ禍になる前まで、私の仕事は出張が中心で、
多い時は年間１２０日以上、コロナ禍直前でも年間４０日程度はビジネスホテルを転々とする生活でした。
出張と行っても、ほぼ毎日、移動で、それも取引先の都合で直前しか日程が組めない（＝ホテルも直前しか予約できない）のです。
地方都市で学会に当たった時のビジネスホテル探しは苦労します。
が、必ず当日になると空室が発生します。今まで何千泊かしてきましたが、ホテルが満室で泊まれなかった、とか、ビジネスとしては不向きな価格に泊まらなければならなかった、ということはありません。
ネットの空室状況はキャンセル発生時の復旧までにラグがあったり、ネットにあげている部屋数を抑えていたりするので、ネットで満室となっていても諦めてはいけません。必ず電話です。まず、周辺一帯が満室の日は、前夜の２２時、そして、朝６時に電話します。たぶん６時の段階でキャンセルが発生しているのがふつうで、６時になくても朝１０時くらいまでにはキャンセルが出ています。
あと、お正月とかゴールデンウィークは、ネット予約が定着した昨今は、とりあえず早めに複数多方面の宿を予約して、キャンセル料金が発生する直前に、天気を予報を見て、行く先を絞り込むという人が増えているため、１か月前とか２週間前は「満室」になっていても、キャンセル料金が発生する頃（１〜２週間前）になると「空室」が目立ちだし、当日は結構空室があったりするもんなんです・・・ 友人の家が旅館をやっていて、いつも泣いています・・・
２０１４年秋、東北に出張時、ホテルがどこも満室で、遅くまでサラリーマンがフロント前で並んでいたことがありましたが、これはＪＲ東日本が「大人の休日クラブパス」という乗り放題切符に起因していました。その日も苦戦はしましたが、どうにか部屋は確保できました。
今回の東海道歩きでは、知立（愛知県）と小田原で結構ホテルが混んでいました。知立の場合はやや高めのホテルに空室があり６７００円で泊まれましたが、小田原は行楽日和の土曜日とあって激混みで１２１５０円でした。
最悪、満室だったらどうするだろ〜な〜
野宿か、少し仮眠をとって歩き続けて、次の日、アーリーチェックインかな？？？
これはこれで街道歩きのハプニングとして楽しまなければならないのかも・・・
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