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著者の長谷川さんは進化生物学を専門とされている方。
アリやハチなど、いわゆる社会性昆虫の研究を学生時代からされているそうで、本書の内容はまさに驚きの連続でした。
最終的に読了後の思考はタイトルに帰結はするのですが、とにかく膨大な研究のプロセスや、そこから導き出される社会性昆虫の繁殖や行動の多様さには、関心しきりでした。
チャプタータイトルだけ見ても、「アリは本当に働き物なのか」、「個体は社会から逃げられない」、「みんなが疲れると社会は続かない」など、私たち人間社会と照らし合わせて考えることが自然と進むようにつづられており、一気に読み進めてしまいました!
社会で生きていくうえで、なんで他人のために働くのか?
そして、どのように社会のバランス(均衡)が保たれていくのか?
などが実に分かりやすく書かれています。
こういう著書をもっともっと若い時に、10代後半くらいの時に読んでいたら、もっと社会や組織に対する見方が変わっていたのかなぁ…なんて考えてました。
生き物好きの方にはもちろん、ちょっと社会の面倒事に疲れた…なんて方にもおススメです。
こういった生物学の本って、山を歩いている時のように、とりあえず自分の置かれてる環境を客観的に考えるのに適しているかもしれません。
もっとみんなが自然と心に余裕を持てるようになれば、世の中はもう少しハッピーになると思うんですよね。。。
やっぱり自然を生きる生き物から、教えられることは沢山ありますね!
・・・
働かないアリに意義がある 長谷川英佑著
ヤマケイ文庫 ISBN 978-4-635-04920-7
https://www.yamakei.co.jp/products/2821049200.html
そこでよく働くアリのみで再編成したら、やはり6:4に戻ってしまったというのです
これを知って、働かない働きアリとは一種の「アソビ」なのでは?と考えました
アソビとは、いわゆる車のブレーキとかのアソビの事です
車のブレーキがアソビ無しにバリバリに効いたとしたら、かなり怖いでしょう
又、緩衝地帯にも相当するのかな?とか、色々考えました
全員が100%の全力を出し続ける事は、物理的に不可能だと思います
体調不良や不慮の事故で大勢が亡くなるなどした場合、働かなかった働きアリがよく働くあり働きアリに変化したという実験結果を聞き、全体として機能する為にも「普段は働かない、でも不測の事態には即座に対応」する為に働かないアリがいるのかも?と想像しました
どこの実験か、いつ頃聞いたのかも、最早覚えていませんので、確たる話しではありませんが、私個人は正にアリだな、とひとりうなづいています
働きアリと働かないアリの構成比はやはり6:4位なんですよね〜
これは名付け方に問題があるのかなって思うんですけど、働き続けることが正義、美徳とされていた時代のせいもあるかも知れませんね…
いまだったら「アクティブ蟻」「リザーブ蟻」って感じで、余力を残した蟻たちにもちゃんと評価がされるべきかも知れません。
私がこの本に惹かれたのは、まさに登山が人生において「イイ感じのアソビ」になっているからなのかな?と改めて思った所です(^-^)
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