＜読書『とてつもない数学』永野裕之（ダイヤモンド社）＞②

2025年08月27日 21:13数学全体に公開

＜読書『とてつもない数学』永野裕之（ダイヤモンド社）＞②

〇クロソイド曲線；1895年、NY近郊のコニー・アイランドに米国初の回転式ジェット・コースター『フリップ・フラップ』が登場。しかし、いざアトラクションがオープンするとむち打ち症になったり、首を損傷する乗客が続出した。原因はレールが一回転する部分の形状がほぼ「円」だったからです。直線部分に円の部分をつなげると、その変わり目で乗客に強烈な負荷がかかってしまうからだ。このような事態を防ぐために、円に代わって回転式ジェット・コースターに採用されたのがクロソイド曲線。クロソイドは直線から始まり、先に進むほど曲がり方がきつくなる。自動車の運転でいうと、直進区間からクロソイド区間に入ったら、一定の割合でハンドルを徐々に切っていき、円弧区間はそのままハンドルをキープ（ハンドル固定）すればいいので、運転しやすく、乗客も乗り心地がいい。（道路に最初に用いたのはアウトバーン）。

〇40人クラスの中に同じ誕生日の人がいる確率は89%。先に40人の中に同じ誕生日の人がいない確率を求める。無作為に一人選び、次の人が最初の人と誕生日が違う確率は364/365、次の人が前の二人と誕生日が違う確率は363/365、よって一人も同じ誕生日がいない確率は1-365/365x364/365x363/365x…x326/365=0.1087。よって40人の中に同じ誕生日の人がいる確率は0.8912（約89%となる）

〇ネイピア数；円周率と並び数学の二大定数。理想のパートナーに出会う確率。最初に出会った人を気に入っても、結婚を決めるのはリスクがある。後でもっといい人に出会うかもしれないからだ。でも、だからと言って、いつまでも決断しないと婚期を逃してしまう。そこで次のような戦略を取る。「ある人数までは無条件に見送り、その後は『今までで一番いい人』が現れた段階で、理想のパートナーと判断する」問題は、「無条件に見送る人数」をどのように決定するか。（30人以上くらいの相手と出会うことが前提だが）交際予定人数の36.8%までは無条件に見送ると、理想の相手に出会う確率を最大化することができる。0.368は1をeで割った数。このことは、交際期間についても当てはまる。仮に15歳から45歳までの30年間はパートナーを見定めるための「交際期間」とすると、30年間の36.8%が経過する26歳の頃までは、結婚を決めず、無条件に見送った方がいい。

2024-11-25 ＜読書『とてつもない数学』永野

2025-08-27 ＜読書『とてつもない数学』永野

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