18年程前に初めて劒岳山行した時の経験です。
その時は劒沢でテン泊しました。
劒沢は広大でトイレと流し台型水場を有して快適なテン場ですが、唯一難点があります。
それはガスが這い上がってきやすい地形なのです。
地形図を見れば一目瞭然ですが、典型的なカール形状をしています。
しかもテン場北側(下流側)は雪渓が残っており、下から吹き上がってきた暖かい風はこの雪渓により一気に冷やされガスとなります。
そしてそのガスは自動的に上部にあるテン場へと流れ込んでくる訳です。
日中の気温が高い時にはそれほど発生しませんが、問題は夜間です。
気温が低いと発生し易くなります。
薄霧ならさほど影響はないのですが、時には濃霧となり停滞する時がしばしばあります。
私が経験した時は視界1.0m前後の停滞濃霧でした。
テント外を出歩かなければ何の問題もありませんが、運悪くトイレに行った帰りに遭遇してしまいました。
濃霧になるとライトの灯は全て反射してしまい、何の役にも立ちません。
直線距離にして約80m戻るのに30分程かかったことを記憶しています。
それ以来、劒沢へ行く時にある物を携行するようにしています。
それは工事現場などで使う「水糸(みずいと)」です。
化繊でできた細い糸で蛍光オレンジや蛍光イエローに着色されて目立つようになっています。
これを塩ビパイプなどに巻き付けたものを持参します。
やむを得ず夜間外出する時、この糸を地面に垂らして目的地に向かう訳です。
自身の帰る場所が判らず、わずかテント手前5.0mで行き倒れなんてしたくないですよねェ〜。。。 しかもテン場で。。。。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する