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日本語的に「簡易テント」とか「ビバーク(緊急避難)シェルター」と呼ばれているものです。
私が体験した中で、所持していて損はないモノのひとつにこのツェルトがあります。
低山日帰り登山や山小屋泊登山を主体に山行されている方には馴染みが浅く、利用する機会もほぼ皆無なので所持されていない方も、数多くいらっしゃるのではないでしょうか?
一生使うことなどない装備にお金を出してまで購入したくないものですよね〜
本体だけで7,000円〜10,000円程度しますし、オプションポールやフライまで購入すると10,000円を超えてしまいます。
しかし、所持していて損はない商品だと私は考えます。
「遭難」と聞くと、つい滑落や雪崩、落石等を想像してしまいがちですが、道迷いや体調不良または天候不良による進退不慮なども相当数を占めています。
運良くその状況を短時間で脱することができたなら、事なきを得られますが、時には自身の願いとは裏腹に改善の兆しが見えない状況に陥ることもあります。
この時に前出のツェルトを所持していたか否かで、その後の運命を分けるかも知れません。。。。
折りたたんで袋に収納すれば僅か350ccの缶ジュース程度の大きさ、重さなのでザック内容量にさほど影響は受けないでしょうし、
軽量化に拘るようであれば他に不要なモノは無いか、今一度見直してでも携行する事をお勧めします。
ツェルトを選ぶ時の留意点ですが、次に列挙したようなことを念頭に選択すればよいかと考えます。
1)できるだけ軽量・コンパクトなもの
※かさばったり、重くては携行に迷いが出ます。最大400g程度を目安に。
2)フライシートの購入は不要
※不要な出費と重量の節約。
3)常にダブルストック山行されているならオプションポール購入は不要
※ストック2本持っているならポールの代用ができます。
4)細引きは最低4本持って行く
※テントのように立てて使うのであれば、支柱1本に2本の細引き(4本)必要。居住性を向上させるため左右側面に各1本(2本)あれば尚よい。
5)ペグは最低8本携行
※支柱用(2本×2箇所=4本)、ベース4隅部(4本)。左右側面を引っ張るのに更に2本あれば尚よい。
その他ツェルトの便利な使い方を挙げてみます。 このような使い方ができれば購入した甲斐も出てくるかと。。。

1)休憩時の下敷き
※そのままでは大きいので、半分程度に折りたたんで。
2)急な雨での雨しのぎ
※殆どのツェルトは底割れになっていますので、そのままスッポリ被れます。 被ったままカッパを着たり、ザックカバー装着等の雨支度ができます。
3)簡易ポンチョとして流用
※メーカーは工夫を凝らしており、換気口から首を出せるものもあります。 ザックごと被ってポンチョとしても使えます。
4)テントの簡易フライシート
※テン泊での使用時ですが、シングルウォールテントの簡易フライとしても使えます。ペグダウンする必要があるので面倒ですが。。。
5)負傷者のラッピング
※動けない負傷者などの風雪除けとしてラッピングしてあげれば保温効果もあり。体温低下も防げます。
6)負傷者を背負う時の簡易ハーネス替わり
※カッパ等を使って背負うことも可能ですが、ツェルトの方が大きさもあるので体をスッポリ包み込めて、背負う側も楽です。
私自身5),6)などの特殊なケースに遭遇したことは幸いにもありませんが、ひとつの利用法として掲載しました。
逆に1),2)などは頻繁に行っていますので、ツェルト本体は常に雨蓋やサイドポケットなど取り出しやすいところに収納しています。
私の山行スタイルはテン泊登山ですのでテント携帯が主流となり、テント+ツェルトは滅多にありません。
但し、山域や天候によっては2つを持って行くことも稀にありますし、夏場などではツェルトだけでのテン泊山行も行います。
逆に低山日帰り登山などではツエルトは必帯します。
つまり「当初から幕営計画のない山行」にこそ、ツェルトを持参すべきだと思うのです。
「自分には関係の無い話」「無用の長物」などと思わず、一度見直してみては如何でしょうか?


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