昨日(10月18日)、富士登山に関する気になるニュースを見た。昨日午後2時10分ごろ、ライダースジャケットを着て富士山の富士宮口六合目付近を登っていた50代男性が、意識不明になり、心肺停止の状態で病院に搬送されたとのこと。
「意識失い倒れた」富士山で救助要請 ライダースジャケットで入山か…50代男性が心肺停止 静岡
https://www.sut-tv.com/news/indiv/23939/
案の定、ヤフーなどのニュースのコメント欄は、その男性を非難するコメントであふれていた。しかし、どうも、「その男性が山頂を目指していた」という前提で非難していると思われる方が多く見受けられた。よくよく記事を読んでほしい。あくまでも、午後2時10分に富士宮口六合目で意識不明になったのであって、山頂を目指していたとはどこにも書かれていない。
富士山の富士宮ルートを登ったことのある方ならお分かりだと思うが、五合目と六合目は非常に近く、傾斜もゆるく、標高差も小さく、散歩感覚で行けるような距離である。実際、ドライブで五合目に来たついでに、六合目まで足を延ばす観光客は多い。私は、20代の頃に会社の同僚数人とドライブで五合目まで来て、そのまま徒歩で「手ぶら」で六合目を通り越し、宝永の噴火口まで行ったことがある。それぐらい、五合目と六合目の距離は比較的近い。
私の思うに、その男性が六合目にライダースジャケット姿で午後2時10分にいたことを考えると、おそらくツーリングで五合目で来たついでに、六合目に足を伸ばしただけではないかと思われる。ところが、その記事を読んだ方には、その男性があたかも頂上を目指していたかのようにとらえる方がなんと多いこと。
この記事のこのような部分に、マスコミの悪意を感じてしまう。
「男性はライダースジャケットを着用するなど登山用の装備や衣服は身につけておらず、警察が当時の状況や行程などを調べています。」
確かに、記事には、その男性が頂上を目指していた、とは直接書かれていない。しかし、普段、登山をしないような方々はこれを脳内変換し、ニュースのコメント欄は非難のオンパレード。いわゆる、マスコミによる「印象操作」というやつだ。ニュース記事には、多かれ少なかれ、マスコミの印象操作が入っていると思って読まねばならない。
なお、その後の報道では、その男性は亡くなられたとのこと。ちなみに、富士山の六合目で登山者が死亡した事例は昨年もあり、その時は吉田ルート六合目で、同じく50代男性が亡くなっている。いずれも死因については報道されてはいないようだが、高山という、低地とは違う環境に身を置いたことが関係していると思われる。普段から健康には気を付けたいものだ。
追記:ヤフーニュースでの反応
https://news.yahoo.co.jp/articles/fec1ea82665684a976d64353ad7642c295bcba8b
https://news.yahoo.co.jp/articles/e293f6c8a539bb1d0e9f84665b60fd963456aa13
リンク先読みましたが、記事そのものはマトモだと思います。
ただやはりタイトルの付け方が「煽る感」満載ですよね。
私も自分のホームページ持ってますけど、タイトルでアクセス数がやっぱり大きく変わるのは体感してます。
仰るように問題としては、中身を問わずに非難コメントをしてる集団にあるように思います。
コメントありがとうございます。私はオリジナルのテレビ静岡のリンクを張りましたが、ヤフーニュースは「煽られた」人たちの非難コメントでいっぱいです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fec1ea82665684a976d64353ad7642c295bcba8b
確かに、ニュース自体は事実を客観的に書いており、富士山の事情を知っている者にはその状況がわかりますが、記事の言葉の選定に意図的なものを感じます。
「ライダースジャケットで入山か」
「富士山・富士宮口の6合目付近を登っていた女性」
「男性は通報した女性と一緒に登山をしていて」
「男性はライダースジャケットを着用するなど登山用の装備や衣服は身につけておらず」
特に最後の一文。手ぶらで行ける距離なんだから、登山の装備をしていないのは当たり前なのに。案の定、ヤフーコメントでは、富士山の事情をご存じないと思われる方々が、その男女が頂上を目指していた前提で非難していて、なんだかなあと思います。タイトルや記事の書き方で、世間の反応は変わるものですね。
今のようなマイカー規制がまだなかった頃ですが、都内の自宅からバイクを富士宮口新5合目まで走らせて、富士山の日帰り登山をよくやってました。
バイクで一気に標高2400mまで高度を上げると、下界にいる時よりも明らかに心拍数が上がるのが分かります。
クルマと違って標高を上げるに連れてどんどん寒くなるのも実感しますし、その影響で血圧もかなり上昇していると思われます。
憶測ですが、ちょっと新6合目か宝永火口あたりまで登る途中で、心不全を発症されたのではないかと思いますね。
私も今年の夏に富士山に登りましたが、もう若い頃のような無理は出来ないので、新6合目の山小屋に泊まってのんびり登りました。
それにライダーズジャケットは重たくてかさ張るばかりで、登山にはまったく不向きな代物です。
私だったらライダーズジャケットは置いて登るし、ヤフコメで非難している人は登山なんかした事もないでしょうし、バイクに乗った事すらもないと思いますね。
コメントありがとうございます。私も18歳から20歳までオートバイに乗っていて、富士宮口五合目まで行ったことがあります。あそこに行くと、空気の薄さを感じますね。空気の吸い心地が違います。この影響か、時々、登山中にお亡くなりになる方がいらっしゃいます。今年も開山中に2名がお亡くなりになっています。
そして、状況から考えて、あの重いライダーズジャケットを着て頂上を目指して登っていたとは考えにくいですね。別の記事では、宝永山荘付近で倒れたとあったので、ほんとに手ぶらで行ける距離です。
そして、その時分には登山などに興味の無かった僕はツーリングで富士山の須走登山口に到着した
須走登山口の駐車場からは、はっきりと富士山の頂上が見えていたような気がする
近くの案内版には頂上まで8時間なんて書いてあったように思う
「そんな、馬鹿な、頂上は手が届くような距離に見えている、1〜2時間で着くに決まっている!」
そう思った僕はライダーブーツのまま、登山の装備無しのまま須走登山道を登っていった
1時間ほど登って頂上を見上げ、その景色に愕然とした
さきほど出発した駐車場からみた頂上の景色と何も変化が無かったからだ
しかし、後ろを振り返ったら駐車場からはかなりの距離を歩いていた
その時、初めて山に対する距離感のギャップを知った
それから約30数年後、無事、富士山に登頂することができたが
今思うと、当時は山に対する知識も怖さも無かった
亡くなった男性はライダージャケットを着ていたという
ライダージャケットは防寒という意味ではほぼ無意味だろう
本人は自分と同じく、富士山の頂上が近くに見えて
「こんなの簡単、すぐ登れるよ」って登り、遭難に遭ってしまったのだろうか?
それとも、何かしら持病が出て亡くなってしまったのだろうか?
どちらにしても富士山はそんな怖さを持っている
コメントありがとうございます。昨年は、吉田ルート六合目で亡くなられた方がいるので、高山という環境の影響で、体に何らかの影響があったのかもしれません。五合目に来た時点で空気の薄さを感じますので。
登山出来ないよう入口は、コンパネ等で閉鎖されているが、それでも無理やり登山道に侵入し、結果的に救助要請が続いているそうです。
以上のことから、自己責任の範囲なので、本人がどうなろうどう構わないが、救助する側の危険が伴うので(救助する側にも家族や親族がいるので心配をかけたくない)、閉山後の登山は絶対やめて欲しい。
現在の富士山は、8号目付近から積雪がありますので非常に危険です。
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