そこで、永年使用してきたマジックマウンテンの2人用テントがそろそろ寿命なので、同サイズの代表的なテントを評価してみました。
対象は冬にも使えるとメーカー側が謳っている2人用山岳テントです。
飽くまでもえのしまんの主観による評価ですので、人によって評価ポイントが異なる前提で読んでください。
これまで使っていたテントも本体＋フライ＋ポールで２ｋｇを切るか切らないかなので厳しく評価するぞえ
■価格
1位 オクトス2人用 26,540円
2位 ステラリッジ2型 42,069円
3位 プロモンテVL25 44,495円
4位 エアライズ２ 47,520円
5位 ニーモ タニ２P 56,160円
6位 エスパースデュオ 56,700円
■重量（本体＋フライ＋ポール）
1位 ステラリッジ2型 1,420ｇ
2位 プロモンテVL25 1,450ｇ
3位 エアライズ２ 1,550ｇ
4位 ニーモ タニ２P 1,560ｇ
5位 エスパースデュオ 1,650ｇ
6位 オクトス2人用 1,786ｇ
■強風時の張り易さ（えのしまん独断）
1位 エスパースデュオ
2位 オクトス2人用
2位 エアライズ２
3位 プロモンテVL25
3位 ニーモ タニ２P
4位 ステラリッジ2型
1位2位は袋とじスリーブ方式を高く評価しました。
現在使用しているテントが袋とじ方式で、反対側にまわってグロメットを固定する必要が無いので強風時の設営が非常に楽であり、吊り下げ式に較べても優位性が高いと考えました。
1位のエスパースデュオはフルコネクテッド・ポールスリーブ方式でどの角からでもポールが挿入できるところを評価しました。
荒天時の設営は一刻の猶予を争う状況であり、これらの小さな差が実際には大きなアドバンテージになることは場数を踏んだ方ならお分かりかと思います。
■耐風性・耐久性（えのしまん独断）
1位 エアライズ２
2位 ステラリッジ2型
3位 エスパースデュオ
4位 オクトス2人用
5位 プロモンテVL25
6位 ニーモ タニ２P
ここは偏見があるかもしれないことを前提としておきますが、以下の理由による順位付けです。
先ずスリーブ式と吊り下げ式ではスリーブ式の耐久性が高いであろうこと。
長辺出口と短辺出口の場合、耐風性に関しては短辺出口に設営上のアドバンテージがあり、前室の形状による風の流れでも優位性があること。
以上をもとに見てゆくとエアライズが一日の長がありそうです。
実際にフィールドで観察した結果、エアライズのフライに皺が無くバタつきも無くて空力特性に優れていると感じられたことです。
ステラリッジを2位にエスパースを3位にしたのは上記の出口が短辺か長辺かの違いです。
をオクトス4位にしたのは前室が台形になっておりこの分空気抵抗は大きくなるであろうとの予測です。
但し後述するとおり、この前室の大きさは居住性には大きなアドバンテージになります。
プロモンテが5位なのは吊り下げ式でかつ長辺が出口であることです。
ニーモも同様ですが、最下位にした理由は他にも複数あります。
先ずは他社が30デニールの生地に対してニーモは20デニールであること。
軽さを優先してのことだと思いますが、これは千切れる危険があります。
特に点で支える吊り下げ式で生地の薄さは致命的と考えます。
あとはポールの受けが樹脂であること。
普通のグロメットにすれば良いのに何故樹脂にしたのか正直設計思想がよくわかりません。
登山靴で踏んだり湿度の高い日本では経年劣化で樹脂は一発で駄目になる危険があります。
■居住性（えのしまん独断）
1位 オクトス2人用
2位 プロモンテVL25
3位 エスパースデュオ
4位 エアライズ２
4位 ステラリッジ2型
4位 ニーモ タニ２P
これも偏見の塊であることを先にお伝えしなければなりません。
前室の広さ、長辺の出口、色の総合点でオクトスが抜きんでています。
2位、3位は長辺出口のプロモンテとエスパースとしました。
プロモンテは吊り下げ式ゆえの通気性の良さが高評価に繋がりました。
で問題は4位ですが、ニーモは長辺出口ですし、見た目も色も最高なのですが、実際に入った感覚で狭いイメージがあり、短辺出口のエアライズ、ステラリッジと同点としました。
さあ、みなさんここまでで何を感じましたか？
えのしまんは価格、張り易さ、居住性の総合得点でオクトスが善戦していることに正直驚いています。
他メーカーとの価格差2万円と200〜300ｇの重量差を考えると充分に選択の余地があると思います。
2万円あればトレントフライヤージャケットが買えます。
他の装備で軽量化するという手は充分考えられますし、総重量で2�圓鮴擇辰討い襪里之茲靴峠鼎ぅ謄鵐箸任呂△蠅泙擦鵝�
色も明るい割には虫が寄ってこなさそうで、見た目はプロモンテのコピーですが、吊り下げ式から袋とじスリーブに変えており、なかなか面白い位置付けだと思います。
一方、極限の状況で安心して使えるのはやはりエアライズとエスパースでしょうね。
色の暗さや通気性に難があるエアライズですが、こと張りの美しさは他のテントと較べると一日の長があり、特に皺が無くバタつきもないフライは当然のことながら発水性や耐風性に寄与し、スリーブによって面で全体を支える高剛性感は過酷な環境でも安心して使える信頼感が感じられます。
流石に支持率��1は伊達ではないと思います。
これで見た目がもう少し格好良くなれば最高なんですがねえ。
エスパースも流石玄人好みな仕様で、スリーブの穴の方向を確認せずに張れるというのはなかなか凄いことだと思います。
山岳会使用率��1ですからメンテの良さは特筆すべきものがあります。
軽さと実用性のバランスで選ぶ場合はステラリッジとプロモンテということになりますね。
昨年爆発的に売れたニーモですが、残念ながらえのしまんの評価はたいへん低いものになりました。
個人的にはニーモの爽やかな色や見た目に痺れて最初は購入したいと思いました。
しかし色々調べてゆくと3000m級の稜線や雪山へ連れてゆくには正直信頼できないという結論に達しました。
前述した生地の薄さや、樹脂性グロメットなどやはり日本の山をよくわかっていないというのが正直な感想です。
高山で樹脂パーツが破損した場合、設営自体ができなくなる可能性がありますし、これだけ欠品が多い状況でパーツ交換がスムーズにゆくのかという疑念も感じられます。
暴風化ではテントが千切れ飛ぶ可能性だってあります。
えのしまんは実際に槍ヶ岳でゴアシェルターを暴風でぶっ潰された経験があるので、やわやわなテントに対しては評価を厳しくせざるを得ないです。
実際フィールドで見ている限り、強風化でのニーモのたわみ方はちょっとヤバさを感じます。
まだ年数が経っていないのでネガティブな口コミも上がってきていないようですがテントは命を左右する道具なのでちょっと辛口になってしまいました。
オーナーの皆さまごめんちゃい
反論は甘んじて受け付けます。
中級山岳以下で使うのであればニーモも良いと思います。
さて総評です。
１．多少の重さを気にせず、総合的にバランスがとれているオクトスはアグレッシブに登る貧乏学生とか給料が安い若い兄ちゃんには最高の選択ではないでしょうか？
２．金に糸目は付けず、激しく登る親父達はエアライズとエスパース。
３．軽さを求める初級者、高齢者、女性の方はステラリッジかプロモンテ。
４．そして中級山岳以下や自転車やバイクの旅で格好よくキャンプしたい方にはニーモ。
以上のような結果になりました。
ではえのしまんの次期テントはどれに・・・？
上記分類で一番えのしまんが違和感なく当てはまるのは２の親父達ですが、貧乏だけで考えると１に近いですし、体力の衰えを考えると３になります。
今のところエアライズが一歩リードですが、オクトスも捨てがたく、正直まだ決めかねています。
もしかしてえのしまんに一番向いているのはウルトラライトツエルトかもしれません。
何故って夏はトレッキングポール、冬は山スキーのストック持っているのでツエルト本体と張り綱だけあればポール必要ないし、多少雨漏りしても、少しくらい寒くても文句を言わない人だし、わずか230ｇの重量はおっさんにはとても魅力的なのです。
あ〜なんだか身も蓋もない結末になってしまった
えのしまんさん
おはようございます。(^-^)/
夢のテント泊。。。
いつか、、、私にもできるかな？
参考にさせて頂きますね。
経験者ならではの詳細な分析
ありがとうございます。m(__)m
sionさんこんにちは。
えのしまんは若かれし？頃、暴風でぶっ潰されたり、大雪で埋まったりと幕営で過去色々痛い目に遭ってきているので、住み心地よりどうしても耐風性とか剛性とかを気にしてしまうんですね。
（最近は好天時しか幕営しませんが）
だからこの評価に少し偏りがあるとは思います
ただここで挙げたテント達はどれもそれなりの実力を備えたものなので、どれを選んでも問題ないと思います。
女性の単独キャンパーって格好良いですよ
えのしまんも隣にそんな人がいたら絶対お近付きになりたいのですが、今のところなかなかそーした機会に恵まれません
sionさんは一人で避難小屋に突撃したり冬季の西穂に単独で登っちゃうくらいですから、そろそろテント山行もいいんじゃないでしょうか？
山小屋での出会いも捨てがたいのですが、テントで自分を見つめなおしたり、自然の息吹を体感するのは別の感動が味わえますよ。
enoshimanさん、おはようございます。
今はこんなテントが実力派・流行りなんですね。
ヤマレコ見てても時々聞く名前もありますよね。
実物見たことがないので、どんなスタイルなのか
全然 ？ なのですが、最近のテントの勉強になります。
私のはエスパースのミニだったかな？
やっと2�坡笋襪阿蕕い任靴燭�、
当時としては、かなり軽いほうでした。
しかも剛性は抜群で。
今のテントって、内張りは使わない(必要ない？)
と思うのですが、厳冬期はどうなんですか。
もちろん30〜40年前のテントより、ずっと優れているんでしょうけど。
冬山は、もうやりませんが、何となく気になります。
yamaheroさんこんにちは！
エスパースはやはり外せませんよね。
冬に張ることを考えると剛性は最重要だと思います。
雪の重みは半端ではないですから。
最近のエスパースは凄く進化してますよ。
見た目はあまり変わりませんが。
エスパースは内張りまだ使ってるみたいです。
冬用外張りにするか、内張りにするかですが、出入り口を吹き流しに付け替えられれば内張りの方が軽くて良いと思います。
シングルウォールテントではそーゆーのあるんですが、ダブルウォールだと冬用外張りが前提のものが殆どのようですね。
enoshimanさん、おはようございます。
各項目の評価、非常に納得感があります
これらの項目で何を優先するのかで、選択が決まるわけですね。
私は「激しく登る親父」ではなく、「軽さを求める中年」ということでプロモンテの選択は間違っていなかったようです
でもちょっとだけ「総合的バランス」のオクトスにすれば良かったか？ とも思っています。これからは益々体力的に厳しくなって来るので無理ですかね。
fireboltさんコメントありがとうございます。
えのしまんも最近は極楽山行しかしなくなってきているので、軽量化重視で行った方が良いのではないかと悩んでいます。
でも昔散々ひどい目に遭ってきたので、それがトラウマになって必要以上にテントは慎重に吟味してしまうのです。
樹脂や金属パーツが少ないものはトラブルも少ないと思っています。
プロモンテは歴史もあるし軽くて居住性も良いバランスのとれた良いテントだと思います。
ランキングを見るとどれか一つのテントが抜きんでているわけではないので、やはりその人のスタイルに応じて選ぶのが良いでしょうね。
テントは長持ちするので、これからもパートナーのプロモンテと一緒に良い山行をお続けくださいね。
おはようございます
テントの比較、おもしろいですね
わたしは軽さ重視のステラリッジ�機�
厳冬期はフライシートと、マット、シュラフ、シュラフカバーですね
シュラフも＃3・＃2ありますが、服を着こんで＃3で別段寒さをかんじません。
雪上泊の場合は、アンバーマットを充実させたほうが寒さ対策にはいいようにおもいます。
もちろん、ローソクランタンが威力を発揮してます。
換気注意ですがね
でわでわ
雪山装備だとやはり軽さ重視だと思ってます（＾＾；
いずれのテントにしても設営に慣れることですね。
豪雨、強風でも慣れたテントですと問題ないです
uedayasujiさんコメントありがとうございます！
えのしまんは最近極楽山行ばかりになってきたので、あまり冬山の幕営はしなくなってきましたが、冬山だけで考えると必ずしもダブルウォールは必要ないと感じています。
ダブルウォールだと暖かいというのは神話だと思いますし、暖冬を除き防水性もあまり関係無いのでブラックダイヤモンドのシェルターなど、シングルウォールの軽いやつでも充分でしょうね。
もしかするとステラリッジの本体だけでもいいかもしれません。
おっしゃるとおり冷えは下から来るのでマットを工夫するのが一番効くと思います。
今のテントはどうか知らないのですが、昔は冬場は出入り口のジッパーが凍って開かなくなるトラブルによく見舞われました。
それで今使っているやつは吹き流しが付いています。
一応内張りが付く仕様になっていますが、もう手にはいりません。
一昨年末に二つ玉低気圧が発達して北アルプスで大量遭難が起きた時、燕岳の天場で複数の仲間とエスパースを張って幕営していたのですが、大量降雪でひどい目に遭いました。
強風が吹き荒れていたのでスノーピットを掘ってそのなかに設営したのですが、それが逆に仇となりどんどんテントが雪で埋もれてゆきました。
最初は１時間おきに外に出て雪を掘っていたのですが、それが30分おきになり、それでも掘りきれなくなって結局明け方燕山荘に退避する体たらくとなりました。
夜が明けたらテントがあった場所は綺麗な雪の平原となっていました。
テントは雪の重みでフレームが曲がったり折れて一部スリーブが破けたりしましたが、完全にひしゃげたわけではありませんでした。
そんな状況でちゃんと修理に応じてくれたヘリテイジの対応も大いに評価できると思っています。
はじめまして、えのしまんさん。
muscatと申します。
オクトス２人用を愛用しております。
他のテントとの比較はわかりませんけど、今までに１０回ほど使用して、特に不具合もなくオーナーとしては良い買い物をしたと満足しております。
少々風の強い北岳山荘テン場でも大丈夫でしたし、大菩薩福ちゃん荘での「なんちゃって雪山テン泊」にも耐えました。結構使い勝手はいいのに人気ないな〜、と思っていた所にえのしまんさんの高い評価でしたので大変嬉しく思います
muscatさんこんばんは！
南アルプス南部のレコ拝見しましたよ〜
しっかりオクトス出動してましたね。
10回使って何も問題なく、オーナーさんの満足度も高いというのはかなり朗報です。
何より、えのしまんの目が節穴でなかったとホッとしているところです。
内心ランキングにクレームが来るんじゃないかとドキドキものでした。
タニ２Pが１張りの金額でオクトスは2張り買えちゃうってのは凄いです。
冬用外張りも安いですしねえ。
浮いた分をほかの装備に振り向けるというのは結構正しい気がします。
何よりただ安いだけじゃなくて、かなり出来の良いテントなんで、正直えのしまんも相当迷っていますよ。
ステラリッジと較べてびっくりドンキーのわらじハンバーグ一個分の重量差をどう捉えるかですが、壊れそうなパーツも無いし、他にウィークポイントが見つからないんです。
周りに同じテントが無いということは自分のテントを一発で見つけられるので、涸沢あたりで張るのにも向いてますよね。
muscatさんのオーナーレポートでえのしまんも嬉しくなりました。
enoshimanさんこんばんはー
anthemさんの流れでココへたどり着きました
テント！
基本日帰りのお山
週一休みの宿命ですねー
自分には必要ないんだと思ってましたが
少し環境が変わり休みが取れそうになりました
しかし！
テント。。。高いなー
どうしても優先順位の後へ後へと・・・
安くてイイモノ！あるんですねー
しかし思いました
なぜ二人用なんでしょか？
一人用のほうが安くて軽いのに？？
気になってついつい質問してしまいました
m(_ _)m
yamagaさんこんにちは！
バタついてて返信遅れてすみません。
自分の場合二人用テントを使うのはデカザックの置き場に困るからですね。
雨が降っている時にウォールに触れると雨漏りの原因になるのでスペース的な余裕が欲しいという理由もあります。
高校生の頃はお金が無かったのでツエルトを張ってチャリンコで旅をしていました。
やがて山に登るようになって軽さ重視でゴアシェルターを買いました。
どこでもゲリラ的に張れてしまうので良かったのですが、狭くて快適ではなかったので、嵐でゴアシェルターがバラバラになったあとテントを買いました。
一人用テントも検討したのですが、中に入ったらとても狭く感じたのでそれ以来二人用テントを使っています。
たぶん同じような理由でソロでも二人用テントを使っている人って多いのではないでしょうか。可能な限り軽量化して快適性は二の次って場合は1人用でも良いと思いますし、その場合はシングルウォールテントも候補として浮上してくるのではないでしょうか。
自分も雨が降らない冬にテントを張るのであればたぶんシングルフォールで限りなく軽いものを選択すると思うのですが、冬は山スキー派なので、テント山行のニーズがあまりなくて、無雪期使用の前提で考えると雨が降っても快適なダブルウォールで、中で快適に過ごせるスペースがあるものということで必然的に二人用になりました。
一人用と二人用の重量差と快適さを天秤にかけて快適さをとったわけです。
やはり山行スタイル次第ですよね。
最近ちょっとツエルトを見直しているんですけどね
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