1970年代後半にLight Weight Backpackingと言う概念が米国から入ってきた。それまでの登山の概念を覆すような目から鱗の道具の数々。アルミ製のフレームパックが格好良くフリーズドライ食品をスベア123で沸かした湯で食す。最近は見かけなくなったがマウテンハウス社のビーフシチューを盲目的に美味いと言って食べていたものだ。
それから月日を経てスルーハイクやらロングハイクやらを通じて荷物を軽くすることで長時間歩いたり長距離を歩いたりする工夫がなされてきた。新しい素材の開発や進化は大いに寄与している。最近の山道具はどれをとっても軽い。
いつの世も同じなのだろうが、最新の道具に身を包み最先端を走る者がいる。それを否定するつもりは毛頭ないし、70年代後半は我が身がその最先端を走っていた。近年の軽量化は老齢ハイカーにも少なからず恩恵を与えてくれている。かつてのLight Weight Backpackingの基準重量が16Kgであったことを考えるとUltra Lightは8Kgだそうだ。40年程で半分になった。体力の落ちた我が身には何よりだ。
前置きが長くなったが、先日の山行でUltra Lightのカタログから飛び出してきたような三十代と思わしき男性ハイカー。目的地まで辿り着けずにテント泊をテント泊を小屋へ申し込んで来た。その様子を野次馬的に拝見させてもらったのだが、有名ULブランドのザックにテントetc。どれもピカピカの新品の様子。だけどそんなに大きなザックに何が入っているんだろう。一週間は歩けるような荷物だ。どんなに軽い道具でも無駄な者が重なれば自ずと重くなる。この山域の水は安心して飲めるのだがら浄水器は無駄だと個人的には思う。
SNSなどでみてきた魅力的な道具をどこぞのアウトドアショップの言われるがままに購入したようだと穿った見方をするのは歳の所為だろう。販売店は食わんがためにコマーシャリズムに徹することは当然だが、自身で管理できないほどの荷を背負うことも危険だと思う。テント泊でも食事は小屋で提供してもらうことで荷物の量は減らせる。これも軽量化の方法だと思う。あれこれ試して経験値を重ねることに反対はしないし、むしろ推奨したい。但し、山での失敗は生死に関わることを決して忘れないでほしい。
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