「智さん、『43歳の壁』って言葉知ってます?」
昨年上高地から涸沢を経由して奥穂高岳に向かう山行中で登山仲間のS君から問われた言葉である。登山をやる人には有名な言葉だそうだが、僕はこの時が初耳であった。
曰く、何名もの有名な登山家が43歳で命を落としており、これを『43歳の壁』、あるいは『43歳の落とし穴』と言うのだとか。経験、技術の蓄積により見える世界が広がり、更なる難所に挑もうとしたくなる一方で、加齢により確実に体力は衰える。右上がりの曲線と右下がりの曲線が交差するのがこの年齢なのだと説明されるらしい。
多くても月に2、3回程度、週末に一般の登山道を歩くという、あくまで趣味の一つとして登山を楽しんでいる僕に、前述の登山家たちと同じロジックが適用されるとは思わない。しかし、40歳ではじめて奥穂高岳に登ったことで、歩きたい場所、見たい風景が一気に増え、41歳で劔岳別山尾根、42歳で槍ヶ岳から大キレットを越えて北穂高岳までの縦走を経験し、いよいよ次は奥穂高岳からジャンダルムを経由して西穂高岳への縦走を・・・と考えている僕にとっても全く関係のない話とは思えない所である。
本日、件の43歳の誕生日を迎えてそんなことを考える次第。まぁ壁だ落とし穴だ関係なく、山に登るってことは常にそれなりのリスクを抱えているんだということを改めて肝に銘じましょう。来年の今日、無事に壁を越えて44歳を迎えられるように慎重に山行を楽しみたいと思います。
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