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下山中だった。
3．5kmほどで 黒沢山の北斜面のトラバースになる。
視界の良い日で、右手に火打山と影火打、焼山がよく見えた。
声をかけられた。
「あとどれくらい？」
そんな時は、極力具体的に答える。
だが、kポストが揃っているのに？
この人は、抽象的な数字では 実感できないのか？
そんな人には、現物を示すに限る。
幸い その場所ならそれができる。
火打山を指差し「あれが山頂ですよ。」
彼女は小さく「ああっ」とつぶやいた。
ぽかんと口を開け、虚空に向けられた目はうつろ。
アカンッ 心が折れたようだ。
疲労困憊の目に 3km先の山は、絶望的に遠く見えたらしい。
道は 遠回りしているし。
こと ここに至っては、もはや手遅れだ。
フォローする言葉も無い。
「お気をつけて」と声をかける以外に、手のうちようがなかった。
こんな具合だから、山で私に あとどれくらいか聞くのは、やめた方がいいと思います。
��kポストが完備している
1/9km、2/9、3/9・・・見落としようが無いし歩けば1km間隔なことはわかる
��火打山、影火打、焼山と 左奥に遠く金山と天狗原山まで見えた
登る人には遠く見えるだろう、あの元姉さんは山頂まで行けただろうか？
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