帚木蓬生著「悲素」読んで見た

作家氏はお医者さんでもあり専門的な学術用語を全ページにわたって羅列。ダブった箇所もあったかもしれない。穿った見方すればこれでページを稼いだ、そんなことはないだろうが、なにせ542ページにも及ぶ長編４日かけて完読した。

　17年前、和歌山で大量殺人を狙った「毒入りカレーライス事件」付随して保険金詐欺をメーンに、過去オウムサリン等類似事件、その症例を扱ったもの。専門的な用語がこれでもかこれで もかと出てくる。意味するところ、事件の重大性を臨場感を醸すため作家氏の手法と思った。私的に端から理解することなく感性フィリングで読んだ。犯人真由美 の”悲素”にかけるカルト病的と思われ「負の熱情」の脅威。被害地区の住民、今だカレーライスを口にできないと。犯罪史上稀有の事件。

　莫大な保険金ゲット詐欺大量殺人を狙った毒入りカレー事件、いつか本にして世に出そう、作家帚木蓬生の畢生の力作と思ったな。