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高三の夏だったと思う。鵜沼に住む中学校当時の
同級生の家に、みんなして泊まりに行くことになった。
途中のコンビニで酒とつまみを買って、坂を上る。
一度来たことがあったが、夜でもはっきり分かる豪邸で、車庫には、当時高級車の代名詞であったクラウンを
猛追していた日産の新型車と白のアメ車が停まって
いたはずだ。
リビングに陣取って酒盛りが始まる。その後の人生で、アルコールを一滴たりとも受付けられなかった自分
を、まだ、確かめていない当時の若い自分は、周りの
ペースに乱されないように、すすめられた米国産の赤い
ラベリングのビールを慎重に飲んでいた。
やがて、激しい動悸と頭痛に包まれて、立ち上がる
間もなく、リビングの絨毯の上で、自分の胃を絞った。
周りの友人達の絶叫が、なぜか遠くに聞こえ、
ティシューやらなんやらで、お茶を濁そうとするも、
全く要領を得なかった。
第二波を予想した賢明なる判断で、その場から無理
矢理、トイレへ連行されたか、部屋の片隅で、冷たい
水を飲まされていたか、今となっては定かでない。
翌昼、
絞られた胃の中を空っぽにして、空腹を訴えた私に、
母親が作りおいたシーフードカレーがあるけど、
ちょっと辛いかもね
と、私に振る舞ってくれた。
あれから、35年、昨日はシーフードカレーを作った。単身を数年過ごす間に自分の作るカレーは、
ごろごろの野菜の中で、肉からシーフードになり、
ルーは、当時のスパイシーカレーの代名詞、ハウスジャワカレーの方向性の延長にあるゴールデンカレースパイシーを使い、具材を煮込むときには、あごだしとこんぶ
だしを入れるというおでん的な下拵えを取るように
なった。
当時の友人とは、40代に再会してから、今も、
つき合いがあって、彼の都合の悪い話をすると、
当時の非礼をなじられる。あの日に振る舞ってもらった
カレーの美味しさを思い出して語ると、火消しになると
いうルーティンを数回繰り返しているが、母親の作った
シーフードカレーを褒められるとまんざらでもない
らしい。
私が作るカレーの手本は、ひょっとして、あの日の
シーフードカレーだったのではないかと、気がついた。
だとしたら、だし(ブイヤベースかも)を入れて作って
いたから、辛さに負けない深みがあったのかもしれない。
まだ、友人のご母堂がご存命のうちに、ご当地の栗の
和菓子を送って確かめてみたい。
ひょっとしたら確かめようとする私を好意を持って
受け止めてくれるかもしれない。受け止めてくれたら
いいなぁ。
友人によると、私が、どうやっても消せない斬新な
絞り染めを施したペルシア絨毯は、200万円する代物
だったという。
人は、目に見えない十字架を背中に背負って
生きている。
高三の夏✨友人宅のリビングに陣取って酒盛り🤭青春ですね!
まさに青い春😆背伸びしておバカで…まだ大人じゃなくて〜〜可愛い頃でしたね!
大好物な話しです😁
(あっ!お初なのにおバカってごめんなさいね🙏ワタシも、同じような出来事が💦割愛しますが…)
胃を絞ったって表現!凄く的確ですね。
よーくわかる😁
なんだか照れ臭くなるようなシーフードカレーの思い出、お友達のお母様にぜひ会いに行ってみては?😄
十字架⁉️ってほどなのですかー?
それはそれは…大人になられましたね😊
とても感慨深いお話し、楽しかったです。
ありがとうございました〜
青春の思い出に限らずかもしれないん
ですが、だいたい苦い思い出が記憶に残る
のは、私だけなんでしょうか。
どうですか?(笑)
200万のペルシャ絨毯に豪快な染めを
残した私が背負った十字架は、
彼と飲みに行った際に、飲めない私が
ハンドルキーパーをつとめて、
しこたま酔っぱらって目が据わった彼を、
同じ話を繰り返し繰り返し何度も聞かされ
ながら、家まで無事に送り届ける
ということで、許しを乞うています。
背負った十字架に自分で気づくことが
できるような大人になれて、
よかったです。苦いけども。(笑)
コメントありがとうございました。
苦い思い出!ワタシの場合は、それを笑い話しのネタにして生きてきましたよ〜😁
そんなもんじゃないですか?
(え?それワタシだけ?😅)
200万だろうがなんだろうが、そのお母様がシーフードカレーを振る舞ってくれた時点で、許されているのでは?ってワタシは思います😊
母親というものは、そういうものです。
それが、息子の友人ならもう許してます😆
その後、全くアルコールは飲んでないのですね?
体質でしょうがワタシの場合は、ごっでぃさんと同じような経験がありながら、懲りずに呑み続けて今に至ります・・・
私も笑い飛ばしてもらってます(笑)
けど、これからも続く人間関係として、
負い目を忘れずにいることも、スパイス
程度にはなるかなぁと思ってます。
「息子(娘)が友達連れてきた」って
のは、万国共通、親にとって、多少のこと
は目を瞑れる(是非、瞑って欲しい)
ほど、Welcomeなんですよね。迎える方
と迎えられる方が繋がりました。
米麹の甘酒が少しずつおいしい季節に
なってきました。JUNKO さんも、寒暖の
差の中、お体を大切にお過ごしください。
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