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2014年08月28日 22:00未分類全体に公開

タイムスリップ遭難滝への夏旅…三度目の正直(*^_^*)

高校2年生の時に10日間も ある大滝の上でじっと救助隊を待っていた数十年前の夏…。
ラジオでは無情にも大雨が続き捜索打ち切りのニュースが聞こえてきました。

大峰山脈神童子谷支流 小笹谷付近のことである。
当時のエアリアマップには、小笹谷やノウナシ谷は、破線ルートが描かれており、付属のミニ本にも、イヌトリ谷出会いからそれぞれ2時間30分で稜線に立てると書かれてもいました。

これを信じた私たち4人は、小笹谷の大滝でとんでもない目に遭いました。エアリアマップにも国土地理院にも記載されていない大滝が何本も実存していたのです。
特に小笹大滝は下段のハングした滝だけで雄に50m〜60mもあり、それに続く上部の連爆帯を含むと軽く100m以上の化け物滝でした。(これは、昨年懸垂しながら調査済み)
この滝を巻こうとしても道なんかどこにも存在するはずもなく、私たちは彷徨いながら右の尾根、ルンゼを何回も越して、やがて岩壁に突き当り…必死の思いでルンゼを下降したのです。しかしそこに待っていたのは大滝2本。尾根を巻くのも無理で仕下降もバカでかい落差の滝口に圧倒され…、懸垂下降すら無理でした。
・・・そこで救助を待つことになったのです・・・。

バカでかい青春大滝とは、「ノウナシ滝」ではないのかっ!今年の夏前に考え始めました。そう、小笹を超えてノウナシ谷までトラバースしたと予想しました。
千手滝に阻まれ、ノウナシ滝40mで阻まれた・・・あの場所・・・

一昨年・昨年と小笹谷は右俣・左俣・稜線からのゴルジュにと小笹大滝全てを調査しても、そのバカでかい青春大滝は発見できずじまいでした。

そこで、この夏ノウナシ谷完全遡行を試みました。
1回目は、大きくノウナシ滝を巻いて滝口に到達できず次の千手滝で登攀失敗に追いやられ、これも大きく左岸を巻いて稜線に突き抜けてしまいました。
2回目は、若者のお兄ちゃんにビレイの協力を依頼するも肝心のお兄ちゃんがバテテしまい、単独で左岩のバンドに乗る為にルンゼを直登するも詰まってしまい命からがら懸垂下降で死ぬ思い・・・

で、3回目です。
脇宿谷からロープ合計105mを担いでの下降を試みて、地蔵・馬頭・千手滝の連爆核心部を降り、千手の滝登攀ルートを探りました。
懸垂で左のバンドに乗るルートを何回も往復しましたが、取り付きが悪くノーロープのフリーで上がるルートは見出せませんでした。
あのルンゼを登っても 左のバンドを使えば馬頭の頭まで出てしまいますし、そのトラバースがとてもビミョウでした。

時間的に最後の最後・・・思い切って滝身の横の左岸の垂直に近い壁を懸垂しますと・・・えっ? コレ・・・フリーで行けそう・・・(^−^)
目がら鱗でした。

弱い所はないかばかりに目をやっていた自分。
とにかくネット情報の左に抜けるバンドに上がるルートばかりに目をやっていた自分。
堂々と垂直滝身左岸一直線ルートにフリーでチャレンジしました。
流石に高度感や角度はあり、巻き道と言うよりロッククライミングの世界でした。
でも、岩は脆くなくてホールドの根っこもありました。
心臓が少し張り裂けそうでしたが、一直線壁登り・・・ノーロープフリーで成功しました。

これが、噂の知る人ぞ知るフリーで登れる「yルート」だと信じました。

ネットの情報ばかり頼って、どこかに弱い部分があるのばかりを考えていた自分。

滝身横の下から見たら到底登れないように見える左岸壁一直線が、一番登攀しやすく、上のテラスまで行けました。(但し一か所 肝を冷やす所アリ)
おまけに美しすぎる馬頭の釜までにも懸垂で降り立ち、情報ではとんでもないモンキークライムを登る事になっていましたが、根っこはしっかりしておりフリーで割と簡単に登れてしまいました。(情報は個人差があります)

情報の渦に巻き込まれてしまっていた自分がいました。
とにかく現地に行き、じっくりとルーファイすることが肝心です。
また、この日は大荒れの天気予報でしたが、そんな情報も集めれば集めるほど不安になるだけです。どうせ沢登り濡れて当然です。
鉄砲水になる前に、尾根に逃げたらいいのです。

核心部登攀成功後、脇宿とハリンド谷の分岐辺りで、いきなりの大雨が振り出し始めましたが、慌てずに岩と岩の間に潜んで じっとゲリラ豪雨が去るのを待ちました。
1時間以内に雷雨は止む!っと感じていました。

予想より早く雷雨が去ったので、岩穴から這い出て出て奥駆稜線まで、到達しました。

三度目の正直です。
諦めないで あの手 この手で もう詰まってしまったら
真正面から 行っちゃうと 登れる事も 発見しました。

逃げないで進む。無謀と紙一重ですが、それもたまにはアリです。
これで、小笹谷とノウナシ谷を全て走破しましたが・・・

ノウナシ滝でも千湯でも馬頭でも・・その上の地蔵滝でもありませんでした。

肝心の青春の大滝は、見つかりません。
おい、高校生の自分・・・どこに10日間も潜んでいたんや?

まだまだ、この青春大滝タイムスリップは、続きます。
でも、幻は幻のまま 心に秘めていた方が 良いのかもしれません。

しかし・・・おじさんのの旅は、終わりそうに無いですね。
小笹谷もノウナシ谷もまだまだ枝流が残っています。
一本、一本、これからも ライフワーク(夏の風物詩?)として
これからも 楽しんで行きたいと思っています。

因みに私たちが遭難してからは、エアリアマップの神童子からの破線は消し取られ、著者も沢専門の方に変わり、まともなモノに変わったのです・・・。
それまでの執筆者は、関西での山岳会のトップ名誉会長様でした・・・この方は沢や岩専門ではありません。

情報はあくまでも情報。現地で生の状態を感じ取り、どう処理していくかが山の本当の技量を問われると思っております。
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