山を登る理由はなんだろう。

山との出会いは大学時代。
大学1年目に初めて行った北アルプスの大縦走。
本当に感動した。日本にこんな景色があったなんて驚いた。

社会人になってからも数年は山に登っていた。
山が好きだったんだろう。寂しがりやだから独りが嫌。でも独りが落ち着く。誰かと一緒にいたいのに、大人数が苦手。
そんな自分に山はあっていたんだろう。

結婚して数年は山は遠から離れていた。仕事忙しく子供できずに離婚。気づけば30半ば。周りや世の中はどんどん進む。焦って、もがけばもがくほど空回り。仕事に耐えて、他にも色々なことに耐えて、時に爆発して。
自暴自棄なのかもしれない。人生諦めそうな気持ちを毎日抱えて、気が狂いそうな毎日が過ぎていく。

でも、何か熱いエネルギーが体の芯で溢れてる。
疲れ果てるまで何かしたい。
少し考える時間があるといつも暗いことばかり考えてしまう。そんなこと考えられないくらいに何かに夢中になりたい。
なんでもできた学生の頃と同じように、今だってきっとなんでもできるはず。

今しかできないことがある。

そうだ、山に行こう！

人は色々な理由で山に登るんだろう。

今週も、山に登る。今しか行けない山を探して。
季節、標高、天気、移動距離、仕事の時間、全ての条件を揃えた中で、一番ギリギリの、今できる精一杯の山を探す。

今できる精一杯の山で、体力で、他のことを考えられなくなるくらいの大自然と人の温かさを求めて。

毎日こんな事を考えながら、今日も山の計画をする。