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子供の頃、三十数年前頃の夏の志賀高原は観光客も更に少なかったと思うし、本当に静かで、いわゆる穴場に来た感覚で子供ながらに特別感があった。森や池の周りの散策路を歩いたりゴンドラやリフトで山に上がったり、絵が趣味だった祖父と一緒に写生することもあった。
ゴンドラで焼額山に上がり稚児池湿原を歩いていたら、一瞬にして霧にまかれる経験をして恐怖を覚えた。東館山高山植物園から寺子屋スキー場に下りるところに咲くニッコウキスゲは、現在より開花が少し遅かったのか当たり年だったのか、満開で黄色い絨毯のような中を歩いた記憶がある。今では焼額山のゴンドラは、夏期は運休しているらしい。
私たちきょうだい3人には手軽に歩ける散策路がたくさんあり、自営業をしていた両親とは日曜でも一緒に出かけることは稀だったので、家族で出かける夏は特別の楽しみだった。登山が好きになったのは、志賀高原での想い出があるからだと思う。
今年のお盆は志賀高原ゴールデンラインを活用、ゴンドラやリフトに乗り散策し、熊の湯でキャンプしてきた。スキー場の超緩斜面に作られたキャンプ場で、上の方の斜面にはヤナギランが美しく咲き誇っており、横手山がすぐそこ、夕方は谷間にかかる雲海のような雲が見えた。
夜は小雨~曇りでペルセウス座流星群は見えず、真っ暗闇で少しガスっており、熊が出てきたらひとたまりもない…なんて考えてたら、頭の片隅に置いてあった畏怖という言葉が浮かんできた。温泉はもちろん熊の湯温泉で、キャンプ場利用者は1000円払えば入浴し放題である。目に優しい少し薄暗い脱衣所、緑色の濁り湯で温まり癒された。
志賀高原PRキャラのおこみんは大のお気に入りキャラで、チェーンの付いた小さなおこみんは山歩きの友として連れ歩いていた。息子が生まれてからは、他の小さなぬいぐるみ達と共に私の手作りメリーにカラビナで吊るされ、赤ちゃんの元気な手足で引っ張られ蹴られるなど、息子の運動能力向上のために貢献した。
今回立ち寄った志賀高原山の駅では、大きなおこみんのぬいぐるみを息子にねだられ、5歳児とおこみんはテントで一緒に寝ることとなった。
約7年前にこちらの日記で挙げた、おこみんパズルもキャンプから帰宅後に再度バラされ、息子の手によってコツコツと作成され再び完成、今は子供の目線に合わせて飾られている。
山ノ内町の親友とは疎遠になり、奥志賀高原で毎年泊まったペンションは、新しいオーナーが経営を引き継いだらしい。
月日が流れても、自分が生きてる間は大きく変わらないであろう山の景色と、そこにある森や草花は、自然の美しさに初めて触れた新鮮な気持ちを、これからも思い出させてくれるだろう。
最近やっと、最高気温が30℃を下回る日が続いた。心地よい体感の夜更けに、夏の写真を見返して一人浸るのは贅沢で平和な時間だ。こんな優しい時間を持てることに感謝してから寝よう。
写真1枚目:熊の湯キャンプ場、ヤナギランの咲く斜面からの景色
写真2枚目:斜面上部のヤナギランの花畑
写真3枚目:2020年、息子生後3ヶ月の頃。おこみん目がけてパンチを繰り出す
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