ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

HOME > さんのHP > 日記
2017年08月10日 17:30未分類レビュー(ウェア)全体に公開

山とアークテリクスと私

私は最近流行ってる山漫画の『山と食欲と私』が大好きだ。
ちょうど良い加減の内容で、読んでいて「キッツいな〜」とかしんどい感じにならない。山に行きたくなる。毎週金曜日のバンチの更新を心待ちにしている。
「ちょうど良い加減」というのは、もう一つの愛読書『孤高の人』(漫画)の主人公・森文太郎はとにかく不器用で心の中の異性を追い払うために「俺は山に集中するんじゃ」的な考えの元100kgの荷物を背負って歩荷をするんだけど、とにかく見ていて「うわっ…こいつ生き方しんどいな…」状態で、読むと低山いっこ登って降りてきたくらいの疲労感に襲われる。それに対して『山と食欲と私』では道中顔のいい男に話しかけられると「ペースが乱れるから嫌ァ〜ッ!」みたいな感じで逃げてしまう。森文太郎もあの時「ペースが乱れるから嫌ァ〜ッ!」って思えたら多分楽に生きられただろうなと思ってしまう。その場合多分漫画は1巻くらいで終わりそうだけど…。とまあなんかちょうど良い感じで読める登山漫画が『山と食欲と私』。もちろんどっちの漫画も大好き。
ただ「うわアイツ絶対あの漫画の影響で山始めたんや…」「で、出〜〜〜!単独登山女子奴〜!!」と思われるのが何となく恥ずかしくて(いや実際あの漫画の影響で登山に戻ったんだけど)、「え?何?そんな漫画知らんし」「へえ…そういう漫画があるんだ」風を装っている。実際には誰にも聞かれたり言われたことはない。友達がいない。
この漫画の主人公が八ヶ岳縦走した時、赤岳鉱泉のテン場でラーメンを食べていた。そのシーンで使っている「取っ手が取れるボール状の鍋」が欲しくて探したら、それと類似する製品(作中で明記されていないけど多分トランギア/ツンドラ3ミニ)を見つけて速攻買った。あとテントを買い換える時にも主人公が使っているテントと同じメーカーにしたし、そこの判断には少なからず漫画の影響があった。
こんな感じで実際に存在するメーカーの製品が漫画の中に登場して、漫画のカバーを外すと登場した道具の一覧が絵で紹介されている。どの道具も「あ〜このキャラならこの道具使ってそうだよな」っていう納得の選択だったりする。
そんな中でメーカー名はアナグラムされているものの、全身をアークテリクスの衣で纏いし者が出てくる。アークテリクサー。その男性キャラは、全身真っ黒でアルコールストーブでチーズフォンデュを作り(作り方が間違っている)、チラチラ主人公の目を気にし、自撮り写真を撮ってインスタに上げていて、読み終わった途端「(うわ〜〜こうやって見られてたら一番恥ずかしいと思うタイプの奴が描いてある〜〜ていうかこれ多分世間の意見の最大公約数だからやっぱりこう見られているのか〜〜〜オイオイ〜〜〜〜!!!)」みたいな何とも言えない恥ずかしさに襲われた。なぜなら私はアークテリクスが大好き。大好きなんだよ…。
この漫画のキャラクターに対するイメージ同様、世間が何となくアークテリクスについて「いけ好かない」感じを抱いている事はもちろん知っている。
実際アークテリクスの某店舗へ行った時、ポロシャツの襟を立てて白の短パンを履いている「いかにも金持ち(妄想)」「絶対車はカイエン、次点でレンジ(妄想)」な男性が、たぶん六本木あたりの高級ホステス(妄想)みたいなメチャクチャ綺麗な女性にウエアを上から下まで全部買い与えているのを目撃してしまい「(ヒュ〜〜!!ドンドンドンドン!パフパフ〜!!出ました!The・他人の金でアークテリクス!!ヒュ〜〜!!パフパフ〜!!私にも買ってくれや〜〜〜!!)」みたいな品度もプライドも0の心の叫びが止まらなかった。綺麗だと男にアークテリクスが買ってもらえるんですよ!?ヤバい!ヤバくない?いけ好かねェ〜!!!!
どんどん私の性格の悪さを露呈するだけの日記になってきているけど、とにかく何となく「いけ好かない」このメーカーのウエアを好んで着ているのは、とにかく性能の良さの一言に尽きる。
数年前の冬にスキーに行った際、強風の中車から出て作業をする時に何気なく借りた同行者のアークテリクスのハードシェルを羽織った時に「風が止んだ」としか言いようのないナウシカ的体験をした。脱ぐと風はビュービューで、羽織ると止む。「何だこの服ヤバい」と言いながらフードを脱いだりかぶったりしまくったのを覚えている。それに止水ジップってアークテリクスが考えたんだよヤバい。ジップひっくり返して縫うってなにその発想の転換。天才。
それ以来、アークテリクス教団に入信して、少しずつウエアを買い揃えていって今に至っている。途中カラーバリエーションが黄色人種の肌に似合わない感じになったりして(多分デザイナが変わった)真っ青なベースレイヤを着る度に「何か顔色悪くない?」と言われる時期があったり、アークテリクスが流行りすぎてフルマークス教団に入信しようと考えた事もあったけれど、始祖鳥ロゴの格好良さは何者にも代えがたいし、「こんないいウエア着てんのにヘタレんの恥ずかしいから頑張ろ…」みたいな気持ちにもちょっとだけなる。ちょっとだけな。

というワケでこれは「私がアークテリクスを着る時に感じている何となく気恥ずかしい感じ」への言い訳のエントリーです。本当は「服なんか何でも良い」的マインドを持っていて、どこでもさっさとスマートに登れるのが一番かっこいいと思うんですけどね。
お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:4185人

コメント

この日記はコメントを受け付けていません。